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寝たきりにつながる?圧迫骨折に注意してください!

寝たきりにつながる?圧迫骨折に注意してください!

高齢者の骨折は非常に怖い出来事

高齢者にとっての骨折は、それまでの生活が大きく変化するだけではありません。骨折がきっかけで介護が必要になることも多いのです。当然、要介護者の骨折であればなおさらです。要介護の度合いが高まってしまい、介護家族にとっても介護負担が大きくなる、できれば避けたい出来事です。

高齢者の代表的な骨折といえば、大腿骨頸部と呼ばれる足の付け根、股関節の部分の骨折です。この部位の骨折をきっかけとして寝たきり状態になり、心身の能力が低下して免疫機能が低下したり肺炎になったりして、最悪の場合は死につながることもあるのです。

ですから、介護のプロ(介護職)は、骨折に直結する転倒リスクについて、日頃からできるだけ排除しようと努めています。要介護者が転倒しない生活を送れるよう、注意深く環境を見守り、ケア体制を整えることを教育されてもいます。

骨折=骨がポキっと折れること?

ところで、骨折というと、読んで字のごとく骨がポキっと折れることをイメージする方が大半でしょう。しかし、折れるというイメージとは異なる骨折もあります。ポキっと折れるような骨折に注意を払うことも大切ですが、それだけでは不十分なのです。圧迫骨折(あっぱくこっせつ)という、折れない骨折についても認識しておきたいです。

たとえば、脊椎骨(せきついこつ)と呼ばれる、ブロック型の骨が縦に列をなして、緩やかなS字を描いている背骨の図を思い浮かべてください。圧迫骨折は、このブロックの一つ一つである椎骨(ついこつ)が潰れるように崩壊する骨折です。

高齢者の場合、骨粗鬆症で骨の強度が落ちている人が多数います。そうした高齢者が、日常生活を送る些細な動作の中で、ブロックの上下に圧力が掛かり、ペシャリとなることが多いわけです。

圧迫骨折は、体の軸になる部分(腰椎や胸椎のあたり)で起きるので、痛みが強く、立ったり座ったり、歩いたりという日常生活に大きな支障が生じます。また、当初は安静や痛み止めといった対処が多いので、リハビリへの移行が遅れ、寝たきりになってしまう可能性も高いものです。

圧迫骨折につながりやすい「座る」という動作

圧迫骨折は、転倒という明らかな衝撃がなくても、日常生活を普通に送る中でも自然と発生する可能性もあるのです。ですから、特に介護の場面においては、日頃からこのリスクを想定した介護を意識することが大事です。圧迫骨折が起きやすい場面として知っておきたいのは以下のようなものです。

(1)椅子やベッド、車椅子に座る時

立ち上がっていた要介護者が、どこかへ座る際、できるだけ衝撃がないように座ることが理想です。しかし、足の筋力やバランス力が低下してきている要介護者は、意図せずにドスンと座ることが増えてきます。このドスンと座ることを続けていると、その衝撃で圧迫骨折が起こりやすくなります。これへの対処として、座ろうとする椅子の手前に、要介護者がつかまりながらゆっくり座れる手すりや家具を置くことが有効です。そこに要介護者の体重をかけさせながら、介護者(介護職や家族)は、ドスンと落ちないようにお尻を支えつつ、ゆっくり座らせるとよいでしょう。

(2)座るために、体をねじったり、ひねったりした時

歩いていた要介護者がどこかへ座ろうとした際、座るにはまだ少し距離がある場面を想像してください。そこで、肘おきや手すりに前のめりにつかまり、無理やり座ろうとする場面があります。要介護者は、歩行能力が低下しており、歩くことがしんどいものです。そこで、上半身の力で無理やり体を座る場所に引き寄せ、お尻をひねりながら座面に乗せようとすることが多くなります。この時、腰から下をひねる動きが生じるので、圧迫骨折が起こりやすいのです。たとえば、上半身だけでひねりそうになっているならば、椅子や車椅子を要介護者のお尻のところまで動かして座ってもらうとよいでしょう。

介護をしているときに、同じ動作をしないこと

少し話が変わりますが、介護職は腰痛に悩まされているという話題を聞いたことがある方は多いと思います。要介護者の日常生活の支援をする中で、車椅子からベッドに移したり(移乗)、お風呂やトイレでの介助など、なにかと身体を使う仕事ですから、適切な介護技術を駆使しないと介護職は体を痛めやすいのです。

同じことが、自宅で介護をしている家族にも言えます。要介護者の日頃の介助は、家族の体への負担を蓄積させていきます。ですから、介護をする家族もまた、要介護者の介助をしながらも、自身の体を気遣う必要があります。

たとえば、先の(1)の場面では、両手引きをしながら、要介護者と一緒にドスンと座ってしまうことがあります。また、先の(2)については、要介護者の手を引いて歩行をしていて、要介護者の足が追いついていない場合に注意してください。上半身だけを引っ張って椅子に乗せようとして、結局、自分の体も極端にねじって座らせることがあるからです。

少しずつでも構わないので、介護職の動作を観察したり、介護職に質問をしたりしながら、適切な介護技術を身につけて行きましょう。それが結果として、その後の大惨事からの介護負担の増加を防ぐことにもなるからです。

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