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高齢者の住まい探し問題に対して、千葉県船橋市が本腰を入れる

高齢者の住まい探し問題に対して、千葉県船橋市が本腰を入れる

高齢者になると住まいを借りることが難しくなる

高齢者は、賃貸住宅への入居を拒否されることがあります。実際に、大家の60%は、高齢者と賃貸契約を結ぶことに対してネガティブです。日本はすでに高齢化社会なのに、これはおかしなことです。

背景にあるのは、高齢者に家を貸すことのリスクです。こうしたリスクの中心となっているのは、高齢者が、賃貸住宅で孤独死してしまうことです。孤独死してしまうと、家賃の支払いが止まるだけではありません。住宅にとって大きなダメージになることも多く、そのダメージを改修するための費用も発生してしまいます。

こうしたことがあったとき、本来であれば、家族に連絡をして、未払いになっている家賃やダメージの改修費用などを請求したいところです。しかし大家は、家族に連絡がつかないケースや、家族と連絡が取れても支払いを受けることができないといった経験をしています。

そうした手痛い経験が、不動産業界では広く共有されてしまっています。こうして共有されている経験談の中には、不正確であり、不安を煽るようなものも多く含まれています。そうしてますます、高齢者は賃貸住宅への入居ができなくなってきているのです。

この問題に対して千葉県船橋市が立ち上がった!

この問題に対して、千葉県船橋市が立ち上がりました。これまでも、個別の相談に対応するといったことはありましたが、自治体のほうから出向いてサービスを展開するというケースは(まだ)珍しいです。以下、NHK NEWS WEBの記事(2017年7月3日)より、一部引用します(改行位置のみ、KAIGO LAB にて修正)。

1人暮らしの高齢者が賃貸住宅への入居を拒否されるケースが問題となる中、千葉県船橋市は家主側が不安に感じる緊急時の連絡体制を整備するなどして、高齢者の住まい探しを支援するサービスを始めました。(中略)

1人暮らしの高齢者などが賃貸住宅への入居を拒否される「貸し渋り」の問題をめぐっては、家主側が孤独死や緊急連絡先となる親族がいないことなどを不安に感じていることが背景として指摘されています。

このため、サービスでは室内に緊急通報装置を設置したり、センサーによる24時間の見守りを行ったりして、緊急時には警備員による駆けつけや救急車の出動要請を行う体制を整備しています。また、亡くなった場合に遺族への連絡や必要な手続きも行うということで、いずれのサービスも有料で行い、入居者の経済状況などに応じて助成も用意しているということです。(後略)

本来は国レベルで対応すべき課題なのでは?

これは、日本の高齢者一般が抱えている課題です。であれば、本来は、自治体レベルではなく、国レベルで対応すべき課題ではないでしょうか。今回のケースは素晴らしい取り組みではありますが、助かるのは千葉県船橋市に暮らしている高齢者だけというところには、やはり問題を感じます。

高齢者であっても、住みたいところに住めるような社会の実現は、現在はまだ高齢者ではない人々にとっても理想のはずです。それが実現されないと、結局、自分が将来、困ることにもなるからです。

当たり前のことなのですが、高齢者問題というのは、誰にとっても共通する問題なのです。しかし現実には、なかなかそのようには考えてもらえない問題でもあります。そのためにこそ、KAIGO LAB のようなメディアは存在しているのですが、どうしても力不足を感じてしまうところです。

※参考文献
・NHK NEWS WEB, 『高齢者の住まい探し支援 入居拒否解消へ 千葉 船橋』, 2017年7月3日

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