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日本郵便の見守りサービス、独自サービスとして方針転換

日本郵便の見守りサービス、独自サービスとして方針転換

日本郵便の見守り?

日本郵便は、かんぽ生命、IBM、アップルなどと共同で、見守りサービスを行う新会社を設立する方向で動いてきました。iPadなどを配布し、健康状態や服薬管理までカバーすることを考え、これまでは、月額3,000円程度でのサービス提供を計画していました。

見守りサービスは、そもそも、インターネットとの相性が良いものなので、多くの企業が参入しています。そうした中で、日本郵便がiPadを用いたところで、本当に競合優位性が示せるのか、疑問の声もありました。そうした中、日本郵便の方針転換が発表されたようです。以下、日経新聞の記事(2017年6月24日)より、一部引用します。

日本郵便は全国展開する高齢者向けの「みまもりサービス」について、かんぽ生命保険などと共同の新会社設立を取りやめる。多額のコストがかかることなどが理由だ。郵便局員が訪問し健康状態を家族に伝えるサービスを10月から自前で展開する方針に切り替える。(中略)

自前で展開するサービスでは、郵便局員が高齢者の各家庭を訪問。健康状態などを聞き取って遠方に住む家族に毎月報告する。利用料は月額2500円の見込み。高齢者の家族とも接点が増えることで、宅配便や金融商品の販売などで郵便局を使ってもらう機会が広がると期待している。(中略)新サービスでは局員が配達などの日ごろの業務の延長線上で提供できるようにしてコストを抑える。

基本に立ち返っている

そもそも、日本郵便は、日々、配達のために、日本全国に足を伸ばしています。今回の方針転換は、配達員が、そのまま見守りをするという「日ごろの業務の延長線上」で見守りサービスを提供するというものです。この場合、既存の郵便事業への追加コストは小さく、ユーザーにとっては必要十分なサービスになるでしょう。

過去、日本郵便のような巨大企業によるサービス設計においては「あれも、これも」という詰め込み型のアプローチが取られることが多くありました。よく、ボタンの多すぎる家電のリモコンに例えられるように、それは、最終的にはユーザー無視のサービス設計になりがちです。

しかし、今回のニュースが事実であれば、日本郵便は、そうしたスタイルからの脱却に成功したようです。シンプルに、配達員が、郵便物の配達の合間に、契約している高齢者の自宅を訪れて安否の確認をするというのは、以外と、広く普及するサービスになるかもしれません。

監視にならない見守りとは?

監視と見守りは、意味合いがかなり異なる言葉です。しかし、少なからぬ見守りサービスは、どうしても、監視のように感じられてしまいます。そもそも、監視と見守りの境界は曖昧ですし、行動としては、ほとんど同じとも言えます。ここが、なかなかに難しいところです。

やや情緒的にいうのであれば、監視には愛がなく、見守りには愛があるというところで、線引きできるように思います。相手への「疑い」による観察は監視であり、相手への「思いやり」による観察は見守りといった具合です。

どちらにせよ、それが監視なのか、見守りなのかを決めるのは、観察される側にある利用者(高齢者や要介護者など)です。気分が悪くなるような観察であれば、監視ということにもなってしまうでしょう。その点、見慣れた配達員が定期的に家にくることは、印象としても、監視にはなりにくいように思います。

※参考文献
・SankeiBiz, 『日本郵政が高齢者向け「みまもり」事業化 iPadで健康状態確認』, 2016年11月18日
・日本経済新聞, 『日本郵便、高齢者見守り新会社の設立中止 自前に切り替え』, 2017年6月24日

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