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高齢者をターゲットにした営業戦略に注意したい

高齢者をターゲットにした営業戦略に注意したい

高齢者は企業のターゲットになっている

高齢者が詐欺のターゲットになっているのは、ご存知のとおりです。オレオレ詐欺に代表されるような事件は、非常に増えてしまっています。とはいえ、こうした詐欺事件はメディアでも頻繁に取り上げられているし、家族もそれを注意しているので、認識もそれなりに進んでいるでしょう。

ただ、詐欺は防げても、完全に合法の、一般商品の営業を防ぐところまで注意が向いているケースは少ないと思われます。しかし高齢者は、一般の企業からしても、よい営業ターゲットになっているのが現実です。

高齢者に対しての営業戦略については、企業は、かなり徹底的に設計しています。これを知らないと、いかに合法とはいえ、必要のない商品を買わされてしまいます。こうしたことを避けるため、営業戦略の事例をいくつか(企業が特定できないフィクションを加えながら)以下に示してみたいと思います。

1. 高齢者の自尊心をくすぐる営業戦略

定年退職をした男性に対する営業戦略は、どこの企業でも設計しています。様々なバリエーションがありますが、それらに共通するのが、自尊心をくすぐるというものです。特に、定年前の地位がそれなりに高かった人のほうが、この営業戦略に弱いようです。

悲しい話でもありますが、組織を離れると、若手から尊敬されるような機会がめっきり減ってしまいます。若手が見ていたのは自分の地位であり、自分自身ではなかったということに傷ついている可能性も高いのです。

そこを狙って、あえて、その高齢者からすれば、自分の孫くらいの年齢の営業担当をあててくる企業は少なくありません。そうした営業担当は、高齢者の自尊心をくすぐるために十分な時間をかけた上で、仮想的に上司と部下の関係を作ります。

そして、ある日ついに、自分の営業成績について相談します。高齢者からすれば、これは、自分のことを「師匠」とまで呼んでくれる若者からの相談です。このとき高齢者は、場合によっては、自分でその商品を買うだけでなく、周囲の高齢者を紹介してくれたりもします。

2. 返報性を利用した営業戦略

高齢者になると、なにかと身の回りのことを自分で行うのが難しくなります。たとえば、ルームランプの交換でも、高い台に乗っての作業は、体力的に辛いだけでなく、危険でもあります。こうしたところを捉える営業戦略もあります。

生活まわりで困っていることを「お手伝い」するという形で、高齢者との関わりを築きます。高齢者からすると、これは非常に助かります。しかし、そうした支援がずっと続いていると「いつも、申し訳ない」という気分にもなるでしょう。

細かいことで、十分に高齢者を支援してから、ある日、営業を持ちかけてくるのです。これは、人間が持っている「返報性」と呼ばれる心理学上の特徴を利用した営業戦略です。ここを理解しておかないと、やはり、必要のないものを買ってしまいます。

人間は、他者になにかをしてもらうと、それを負債として感じるようにできています。こうした負債は、いつか返す機会があれば、利息をつけて返したいと思うのが、人間の特徴なのです。こうした営業戦略は、倫理的な問題は少ないかもしれませんが、一応、知っておく必要もあります。

3. 高齢者の不安をあおる営業戦略

マーケティング用語に「FUD(ファッド)」と呼ばれるものがあります。不安(Fear)、不確かさ(Uncertainty)、疑念(Doubt)の頭文字でできている言葉です。人間は、不安、不確かさ、懸念があるという状態を不快に感じます。

人間には、この不快を消したい、不快から逃げたいという欲求があるのです。ですから、逆に、こうした「FUD」を煽ることで、それを打ち消すような商品が売れやすくなります。「いま、買わないと、必要になったときには、もうありませんよ」「このタイミングを逃すと、大変なことになりますよ」といった言葉は、誰もが聞いたことがあると思います。

若くて元気があるときは、こうしたセールス・トークには引っかかりません。しかし、高齢者になって、さらに独居だったりすると、ベースラインの不安が大きくなっています。「FUD」が有効なのは、そもそも不安な状態にある人です。それがある一定ラインを越えると「もう、我慢できない!」という状態にもなります。

必要なものを、必要な量だけ買うこと

当たり前ですが、買い物の基本は、必要なものを、必要な量だけ買うということです。しかし、高齢者の自宅には、あきらかに必要のないものがあったり、必要とはいえ量が多すぎたりします。高級羽毛布団があったり、着物だったり、喪服が複数あったり、シャンプーが箱いっぱいあったり、掃除機が5台あったり・・・

親の介護を担う家族である場合は、親の家の中にあるものに注目しておく必要があります。さもないと、ある日、十分に年金をもらっているはずの自分の親から「お金がないので、貸してほしい」という話が舞い込んできたりします。

企業は、詐欺をしているわけではありません。しかし、営業戦略は、巧妙に仕組まれています。また、倫理観については、しっかりとしたところもあれば、そうでないところもあります。高齢者のお金が狙われているという点については、やはり、しっかりと認識しておくことが大事でしょう。

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