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高齢者の入居がどんどん難しくなる?大家の60%がネガティブ(ニュースを考える)

高齢者の入居がどんどん難しくなる?大家の60%がネガティブ(ニュースを考える)

高齢者の入居問題

高齢者になると、賃貸住宅を借りようとしても、なかなか借りられなくなります。高齢者からすれば、本当に困ったことです。同時に、大家からしても、高齢者に住宅を貸すことにはリスクもあります。大家は民間企業であることがほとんどですから、強制的に高齢者を受け入れさせるわけにも行きません。

ビジネスではよく「win-win(双方にとって嬉しい状態)」を目指せと言います。しかし、高齢者の入居問題は、いわゆる、利害の衝突(conflict of interest)になってしまっているのです。

こうした状況を受けて、日本には、住宅セーフティーネット法があるのです。今年になって、その強化のための法改正も、閣議決定(2017年2月3日)されています。しかし、その効果は、まだまだ不十分です。

これは高齢者だけではないが・・・

入居問題は、市場の原理だけでは国がうまくいかない典型的な例です。そして、この問題の被害者になっているのは、高齢者だけではありません。障害者、外国人、低所得者、小さな子供のいる家庭など(=要配慮者)もまた、賃貸住宅への入居に際して、辛い思いをしています。

とはいえ、要配慮者として数が一番大きいのは、単身の高齢者です。ここについての状況は、改善しているどころか、悪化している可能性が指摘されました。以下、NHK NEWS WEB の記事(2017年5月1日)より、一部引用します。

「高齢者の入居に拒否感がある」が60.6%で、調査を始めた平成22年度以降、徐々に増え最も高くなりました。また、1人暮らしの高齢者の入居を制限をしていると答えた大家は全体の14.2%、高齢者のみの世帯の入居を制限している大家は13.4%でした。

入居制限をしている大家に理由を複数回答で尋ねたところ、「家賃の支払いに対する不安」が71.1%、「居室内での死亡事故などに対する不安」が30.3%などでした。国土交通省は、貸し渋りに対応するため、入居を拒まない物件を登録して活用する制度などを、この秋から始めることにしています。

家賃の支払いが問題というヒント

今回の指摘で、ヒントになるのは、大家の不安は、家賃の支払いにあるという部分かもしれません。国土交通省の対策である「入居を拒まない物件の登録」というのは、必要でしょうが、この大家の不安解消には、まったく十分ではありません。

要するに、本当に望まれているのは、要配慮者のための家賃保証です。そもそも日本の高齢者の6割以上が「貯蓄が足りない」と感じています。高齢者自身が、家賃の支払いに不安を持っているということです。

しかし、そのための財源は、おそらくありません。であれば、持ち主のわからない空き家を国のものとして、それを公営住宅化し、そこに、要配慮者を優先的に入れるといった、より大胆な解決策しかないように思います。

※参考文献
・NHK NEWS WEB, 『高齢者の入居に拒否感 大家の60%余に 徐々に増加』, 2017年5月1日

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