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3年以上の実務経験がある職員が過半数という訪問・通所介護の割合は○○%

3年以上の実務経験がある職員が過半数という訪問・通所介護の割合は○○%

3年以上の実務経験がある職員が過半数という訪問・通所介護の割合は74.4%

介護というと、なんの資格もいらず、ただ、日常生活における家事の延長のように考える人も少なくありません。しかし、介護職は専門性の高い仕事であり、多くの知識と経験が必要になるものです。

家族による介護で、虐待や介護殺人が減らない原因の一つは、介護に関する知識や経験の不足です。もちろん、知識や経験だけではどうにもならない状況も存在しているのですが、知識や経験のあるなしによって、介護の負担は大きく変わることは事実です。

たとえば、ホームペルパーとして現場に立つために求められる介護職員初任者研修では、130時間にもおよぶ研修が行われます。また、介護福祉士の資格取得には、学校で介護に関して専門的な学習をおさめていない場合、3年以上の実務経験が必要になります。

そもそも専門性とは、一般にはほとんど経験することがない課題を、毎日のように実務でこなすことでしか身につかないものです。この社会は、こうして身につけた多様な専門性があればこそ、効率的に回っているわけです。

日本政策金融公庫総合研究所の調査(2016年)によれば、3年以上の実務経験がある職員が過半数という訪問・通所介護の割合は74.4%でした。傾向としては、訪問介護のほうが、通所介護よりも3年以上の実務経験を持つ職員が多いようです。訪問現場での仕事は、それだけ難易度が高いからでしょう。

訪問介護の難しさと大切さについて今一度確認しておきたい

まず、在宅で介護を受けている高齢者の割合は、全体の約71%になります。これに対して、老人ホームのような介護施設での介護を受けている人は約24%にすぎません。大多数が、在宅での介護ということになります。今後は、介護施設がさらに足りなくなっていくことが予想され、在宅介護は増えていくことになるでしょう。

そうなると、ますます、ホームヘルパーの活躍の場も広がっていくことになります。しかし、一般には要介護者のところに1人で行き、様々なトラブルへの対処も求められる訪問介護には、知識と経験が必要になります。問題は、こうした訪問介護をこなせる職員の数が、要介護者の増加数に対して増えていかないことにあります。

なぜなら、ビジネスとしての訪問介護が限界にきているからです。実は、訪問介護をビジネスとして行っている事業所の47.6%が赤字です。それだけ厳しいビジネス環境にあって、人件費を増やすという選択は困難です。特に、人口の少ない小規模な都市における赤字が目立っています。

介護事業者の廃業・倒産も増えてきています。昨年の介護事業者の廃業・倒産は、過去最多となってしまいました。この背景には、国が介護に使える予算が足りていないからです。これからも、2025年に向けて、こうした財政上の問題が改善することは見込めない状態です。

私たちのところには、経験豊富なホームヘルパーは来ないかもしれない

こうした状況を前提とすれば、今後は、私たちのところに、経験豊富なホームペルパーが来なくなる可能性が高まります。いかに必要だと言っても、そもそも、年収も300万円に届かないような待遇を押し付けられ、事業所も赤字という状態では、続けられないでしょう。

本当にそうしたことが自分に降りかかってから嘆いても遅いのです。なんとか、この段階で、介護保険制度そのもののあり方を見直す必要があります。財源に関しても、これまで(ほとんど)手がつけられていない税金の使い道に関するところに切り込まないと、日本そのものが転覆してしまいます。

いつか、私たち自身が介護される日もやってきます。そのときに、家族にばかり大きな負担を負わせるような社会を作ってしまってはいけないと思います。未来に関しては、私たち一人ひとりに責任があるはずです。そしてもう、日本の介護は限界にきています。

※参考文献
・日本政策金融公庫総合研究所編, 『逆風下の訪問・通所介護ビジネス』, 2016年6月30日
・内閣府, 『平成26年版高齢社会白書』, 高齢社会白書

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