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メタボからロコモへ ー 今はじめたい生涯スポーツ

メタボからロコモへ

メタボという言葉は浸透したけれど・・・

厚生労働白書によると、メタボリック・シンドローム(メタボ)を認知している国民の割合は、2009年時点で92.7%まで到達しているそうです。その背景には、2000年から実施された「健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)」があります。

「健康日本21」は、2000年に制定された健康増進法に基づき実施されたプロジェクトです。生活習慣病、及びその原因となる生活習慣等の課題について、9分野(栄養・食生活、身体活動と運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん)が定められました。そして、それぞれの分野に関して、2010年度を目途とした「基本方針」「現状の目標」「対策」が掲げられたのです。

このプロジェクトがあって、メタボという概念は、日本に広く浸透したのです。実際に、腹囲の測定で、一定ラインを超えるとメタボの可能性が高いとされるのは、もはや誰もが知っているでしょう。これで苦い思いをした人もいたかもしれませんが、今では、日常的な冗談としても使われるまでになっています。

これは、ただ言葉が広く浸透したということではない点に注目してください。メタボという言葉とともに、そのリスクの認知が広がりました。それにより、たとえば、体脂肪を燃やしてくれるお茶が飛ぶように売れ、トクホ(特定保健用食品)という言葉も定着してきました。

最近では、コーラやビールにまでトクホマークがついています。メタボという概念そのものの広がりによって、日本に暮らす人々の健康に対する意識が高まり、少しずつではあっても、生活習慣病の増加には歯止めがかかっているのです。まさに「言霊」ですね。

メタボの次は、ロコモ?

メタボの認知度が高まったのと同様に、認知症やうつ病などの予防として、運動の重要性が再認識されたと思います。しかし、人間が運動することの基礎となっている「運動器」そのものについての認識は、必ずしも十分ではないように思います。

「運動器」とは、体を構成し、支え、身体運動を可能にする人体の器官のことです。簡単に言えば、骨、靭帯、関節、筋肉の総称が「運動器」ということになります。そして、人類が過去に経験したことのない「超高齢化社会」をむかえている現代の日本では、この「運動器」に問題を抱える人が急増しています。

「運動器」に問題を抱えることで、立ったり、歩いたりといった日常生活に様々な課題を抱えてしまうことを特に「ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)」と言います。略して、ロコモです。

ロコモの多くは、人の歩行、移動の障害に関する形で顕在化します。これは、要介護状態になってしまう時の主な原因の一つです。実際、要介護者の24.0%は、ロコモが直接の原因となっており、これは脳卒中が原因で要介護状態になるケース(23.3%)と並ぶ数字でもあります。

ロコモをより正確に表現すれば「運動器の障害のために自立度が低下し、介護が必要となる危険性の高い状態」のことです。現代の日本では、軽度のロコモ(ロコモ度1)と重症のロコモ(ロコモ度2)を合わせて、なんと4,700万人もの人がロコモである(日本整形外科学会の推計)とされています。

メタボが1,940万人(該当者、予備軍)である(厚生労働省の推計)ことを考えると、ロコモには、メタボの2倍以上の注意が必要ということになります。根本的には運動不足が原因でロコモが発生し、それがメタボにもつながると考えれば、ロコモを予防することの重要性も伝わるでしょう。

たかが運動不足とは言えません。実は、日本では毎年5万人もの人が運動不足で死んているという報告もあるのです。そうした背景から「健康日本21(第二次)」では、2022年度に向けて、ロコモの認知度を80%にするという目標が掲げられています。

健康で長生きするために、スポーツに参加したい

ロコモの予防法としては、片脚立ちやスクワットなど、それほど大きな負荷をかけることなく取り組めるものもあります。しかしどうせなら、仲間と楽しめるスポーツをはじめたほうが、社会参加にもつながり、介護予防として効果的です。

東京オリンピックまで、あと4年です。今からでも、何らかのスポーツに参加することで、東京オリンピックもより楽しめるようにもなるでしょう。さらに、そのスポーツの発展に寄与するようなボランティア活動ができたら、本当に素晴らしいことです。

高齢者にとって一番辛いのは、社会的な役割がなくなってしまうことだという意見もあります。スポーツは、その発展に寄与するという形でも、チームメイトとともに頑張るという形でも、私たちに、社会的な役割を与えてくれます。

何事も面倒だと考えてしまえば、将来、もっと面倒なことになります。スポーツに参加することの最大の壁は、それを「はじめる」という最初の一歩だけです。この一歩さえ踏み出せたら、あとは仲間が止めさせてくれません。面倒でも、はじめの一歩を踏み出してみてください。

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