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介護サービスを見直す(当然の)権利について

介護サービスを見直す(当然の)権利について

ケアマネージャーに対する不満は少なくない

とある介護家族向けのセミナーで、参加者が、講師に対して次のような質問をしていました。

私の親の担当ケアマネジャーは、頼んだり相談しても答えをくれません。今日セミナーで聞いたケアプランも見たことがないし、自宅の訪問だって最初の契約以来、きてくれません。これって、普通ですか?

また別の家族会では、初めて参加したという家族が次のようなエピソードを話していました。

ケアマネジャーから紹介されたデイサービスは、父は気に入りませんでした。そこで、別のデイサービスを紹介してほしいと頼んだのですが、紹介してくれません。そもそも、最初に勧められたデイサービスは、料金もまともに教えてもらっていないです。

またある介護事業者に相談に来た家族は、次のような話をしたそうです。

今別のデイサービスに通っているのですが、認知症の状態が進んでしまって、母には合わなくなってきています。そこで、ケアマネジャーに要介護認定の変更や、デイサービスの変更を相談しました。ですが、なんだかんだと言われて、何もしてくれないんです。だから、こうして自分で別のデイサービスを探しにきました。

ケアマネージャーは、介護の「要」です。優れたケアマネージャーもたくさんいますが、残念ながら、介護家族の助けにならない、問題のあるケアマネージャーもいます。

介護保険制度の大きな理念は、介護サービスの選択の自由にある

介護保険制度の大きな理念の一つは、契約制度による、介護サービスの選択の自由にあります。つまり、デイサービスやホームヘルパー、それにケアマネジャー等の介護サービスは、全て本人が自由に選択し、契約をすることが出来るのです。

しかしながら、先に示したような、質の悪い介護サービスを利用していても、その契約を積極的に見直そうとする人は少ないようなのです。見直すにしても、かなりのストレスを抱えて「もう限界!」となってからのことが多いようです。

ベテランの介護職に話を聞いたところでは、こうした問題が起こってしまう背景には、介護家族に特徴的な、以下3つの要因があるとのことでした。他にもあると思われますが、少なくとも、この3つについては、困ったときに振り返ってみてください。

1. そもそも契約書をしっかりと読んでいない

介護職の人に聞いてみると、困って相談をしてくる人たちに共通するのは「今の事業者さんを、かえたりしてもいいのでしょうか?」というものだそうです。そもそも、介護サービスが契約で成立しているという、介護保険制度の理念のところから、伝わっていません。

しかし、とにかく介護サービスを利用しているからには必ず契約をしています。そこには、契約書が存在しています。そして、契約書には必ず「解約」に関する条項が記載されているはずです。

合法であるかぎり、契約は自由です。そして「解約」も(条件はあることが多いですが)自由であると明記してあるのが普通です。にもかかわらず、先のような疑問が出てくるのは、契約書を読んでいない証拠です。

2. 介護・福祉サービスへの間違った先入観がある

介護・福祉サービスへの先入観が悪さをすることも多くあります。実は、介護・福祉サービスは、ほんの20年前には、行政による救済・処遇という側面が強かったのです。この時代の「常識」が、先入観になっています。

今でも、高齢者の中には「福祉のお世話にはなりたくない」という感覚を持っている人がたくさんいます。つまり「本来は、家族が責任を持つべきところを、他人のお世話になって申し訳ない」という感覚が残っているのでしょう。

しかし、時代は変わっています。介護は、理念の上では「社会化」と言って、その責任は社会にあるという時代になっています。当然の権利としての介護、契約としての介護が20年前から始まっているのです。

ですから、理不尽な介護サービス事業者に対して、泣き寝入りする必要はまったくありません。もちろん、理不尽に思えたとしても、実際には十分な根拠がある可能性もありますので、その点については注意も必要です。

3. 不服を申し立て先が間違っている

残念ながら「よくない介護サービス事業者」というのは存在しています。特に、介護保険制度の「要」であるケアマネジャーが、そうした「よくない介護サービス事業者」であった場合は、問題が大きくなります。

こうした時のために、介護保険制度には、様々な相談窓口や苦情対応窓口が整備されています。実は、契約書の中に、苦情相談窓口が書かれていたりもします。

契約書の中に苦情相談窓口が書かれていない場合、第一に、市区町村の介護保険課等が相談窓口になります。さらに、そこでダメなら都道府県や国民健康保険団体連合会(国保連)などにも窓口が用意されています。

他にも、各自治体に必ず設置されている地域包括支援センターや社会福祉協議会など、実は、介護サービスに関する相談窓口はたくさんあります。ここについては、過去にも記事にしていますので、詳しくはそちらも参照ください。

本当に困ったときのために

契約書を読んで、先入観とも決別していても、困ったことは起こります。そうしたとき、家族会やセミナーでは、想いを打ち明けやすいのかもしれません。ですが、結果に直結する相談先は別のところにあります。介護サービスは民間事業者が参入したとはいえ、公共的なサービスです。

困ったら、あらためて、介護サービスを監督をしているのは都道府県(一部市町村)であるという事実に戻ってください。そしてまずは、監督している公的な窓口へ相談することを考えてください。たとえ、そこで話が通じなくても上位の相談窓口があることを覚えておいてください。

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