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人口減少社会が、仕事と介護の両立を後押しする!

人口減少社会と仕事と介護の両立

日本はいよいよ、消滅と戦う局面に入った

総務省が発表した2015年の国勢調査結果では、1920年の国勢調査の開始以来、はじめての人口減少が伝えられました。2010年の調査からは、94万7305人の減少となり、これは、日本の地方の県が、まるまる1つなくなる規模です。

この人口減少は、人材不足に悩む企業にとっては、文字通り死活問題です。このペースだと、人材不足によって、毎年1,000~5,000社ずつ、日本から企業が消え続けるという予測もあるくらいです。

2015年末の有効求人倍率(=求人数÷求職者数)は1.27倍で、これはバブル崩壊以来の高水準です。同時に、少子化によって、学卒者数は減り続けています。企業経営という視点からは、とにかく、人材が足りないのです。

定年延長(再雇用)が確実に必要になってくる

こうした人材不足を受けて、企業各社は、定年の延長を検討しています。現実には、いったん定年してもらってから、嘱託として、年功序列によって上がりきってしまった待遇をいったんリセットすることもあります。とにかく、これまでのように、60〜65歳で定年して退職という流れは消えていくでしょう。

65歳からは、社会的には「高齢者」と呼ばれます。しかし、現実の65歳を観察すれば明らかなとおり、まだまだ健康で頑張れる人がほとんどです。65歳くらいでは「高齢者」というイメージではありません。

しかし、問題になることもあります。それは、60歳以上にもなると、ほとんど例外なく、親の介護をしているということです。60歳以上の人の親は85歳以上であることが多く、日本人の場合、85歳以上の6割以上が、要介護者だからです。

企業は「仕事と介護の両立」に失敗すれば、未来はない

現在の日本人の平均年齢は、約46歳です。また、企業の従業員に占める40歳上の割合はどんどん増えています)。40〜50歳で、親の介護がはじまる人も多いのですが、60歳にもなると、過半数が親の介護に関わっていると考えて間違いありません。

2025年問題の到来を待つまでもなく、60歳以上の人材活用を考えるなら、実は「仕事と介護の両立」というテーマは、すでにはじまっているのです。特に、ダイバーシティー推進室のような部署にいる人は、女性の活躍だけでなく、60歳以上の従業員の活躍についてもコミットする必要があります。

企業としては「仕事と介護の両立」の環境整備に成功しないと(1)40〜50歳の管理職・ベテラン層が介護離職する(2)60歳以上の層を活用することができない(3)日本では介護は女性が担うことがまだ多いため、女性の活躍も危なくなる、という三重苦にみまわれます。

この三重苦が顕在化してしまうと、それへの対処療法は、採用しかありません。新たに採用する人材の採用・教育費が、どれくらいの規模になるのかを考えたら、介護問題に対する対策を強化すべきです。

※参考文献
・読売新聞, 『高齢者が会社を救う?…「定年制」がなくなる日』, 2016年3月4日

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