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介護離職を防ぐには、準備することが大事なのに、準備することができない

準備が大切

突然はじまった介護に翻弄され、介護離職するととんでもないことになる

介護は、突然はじまります。親から電話がかかってきて、入院が伝えられ、退院するころには「介護が必要なので、帰ってきてくれ」といった相談が持ちかけられたりします。しかし、多くの人は「いつかそうしたこともある」と思いながらも、まさかそれが「今日」だなんて考えていません。

その「今日」は、必ずやってきます。そこから、介護保険制度について勉強をしたり、介護サービスについて調べたり、リハビリやデイサービスなどを考えていくことになります。

恐ろしいのは、こうした介護の負担は、その前半戦に集中しやすいということです。しかし、40歳から強制で加入させられている介護保険については、介護がはじまった直後は、それを理解している人はほとんどいません。

そして、少なからぬ人は「介護パニック」になります。介護のABCもわからないのに、病院や医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センターの人々と話しても、あまり頭に入ってきません。介護について学びながら、実際に介護をしていくと、疲労も激しくなります。

この段階で「とても、仕事とは両立できない」と感じて、会社を辞めてしまう人も多くいます。しかし、介護を理由にいったん辞めると、こうした負担は減るどころか増えたという人が7割いたり、その後の再就職には1年以上かかる人が多かったりするという事実があります。

さらに、介護を理由とした転職後の平均年収は、転職前よりも男性で4割低下、女性は半減というデータもあるのです。

介護の危機対応プロトコルを作っておけば負担は減らせる

本当は、介護がはじまる前から、しっかりと介護に関する知識を蓄えて「いざ」ということになったらどう動くかを決めておくと(プロトコルを作っておくと)、だいぶ楽になります。

できれば、介護がはじまる前から、会社の介護支援制度を調べ、地域包括支援センターにも通って情報を集めておきたいです。そして「いざ」というときの対応と、遺産の分配について、家族で決めておけば、あとは実際の介護だけです(それも大変ではありますが)。

こうした準備をした上で「いざ」が起こらないように、介護予防に取り組むことが、理想的です。この事前の対応によって、介護の前半戦に集中しがちな負担を分散できます(平準化)。結果として「いざ」があっても、介護離職のリスクはずっと減らせるのです。

幸運の女神は、準備のできていない人を助けない。(パスツール)

いくら、それが理想であっても、本格的な準備は難しいかもしれません。それでも、家族で一度、介護について話し合っておくくらいのことは、できるはずです。そのたった一度が、介護離職を止めてくれる可能性があると考えていただきたいです。

※参考文献
・読売新聞, 『仕事が介護の支えに 経済、精神面…離職で苦しく』, 2016年2月10日

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