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親の情報が必要になることを認識していますか?

親の情報が必要になることを認識していますか?

企業研修をしていて驚かされること

企業研修で、介護についての講義をすることが増えてきました。研修の参加者の多くは、まだ介護がはじまっていないビジネスパーソンです。そうしたビジネスパーソンの多くが、介護についてほとんど知識を持たないことは、仕方のないことです。

ただ、どうしても驚かされるのは、介護においては親の情報が必要になるという認識を持っていないビジネスパーソンが大多数だということです。ここには、介護業界とその外で、大きな認識のギャップがあります。

介護には、良い介護と悪い介護という具合に、その品質に大きな差があります。医学的には全く同じ状況にあっても、幸福に日常生活をおくる高齢者もいれば、ベットに拘束されながら生きている高齢者もいます。その差は、介護を提供する介護事業者のレベルにもよりますが、親の情報のあるなしにもよるのです。

親が認知症になることを想定してもらいたい

現役のビジネスパーソンには、親が認知症になることを想定してもらいたいのです。親が認知症になってしまえば、親との通常のコミュニケーションは極端に成立しにくくなります。そうなってしまった後では、親に関する情報もまた、入手が非常に困難になります。

介護のプロたちは、認知症の高齢者を担当するときは特に、その人の情報を求めます。しかし同時に、そうした情報を家族に求めても、意外なくらい情報が得られないことが多いのです。端的に言えば、子供は親のことを知らないというケースが大多数だということです。

親元を離れてからの数十年、その間にも、親の人生は続いています。親とはいえ、一人の人間であり、成功や失敗を通しての成長もします。そうして、子供が子供だったころの親とは違う人間になっていることがほとんどです。

その人らしく生きることが大切

理想論ではなく、介護が必要になったとしても、できる限り、その人らしく生きることが大切です。これに失敗すると、過去数十年という長い期間にわたって継続してきた日常生活が壊れます。日常生活が壊れると、多くの人が、心身の健康を想像以上の速度で悪化させることになります。

暮らし慣れた家は当然として、長年使ってきたシャンプー、毎日飲んでいた飲料、行きつけの商店、贔屓にしているタバコの銘柄、友達との会合、毎年楽しみにしているイベントなど、特定の個人は、特定の習慣によって形成されています。この習慣についての情報がないと、介護の品質は低下してしまうのです。

特に、親が認知症になったあと、こうした習慣が維持できないと、親の精神状態は不安定になりやすいのです。不安定になると、暴れてしまったり、どこかに行ってしまって帰れなくなったり、最悪は拘束しておかないとならなくなります。

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