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【人事部向け】介護休業と一時金の大きな問題点

【人事部向け】介護休業と一時金の大きな問題点

休みやすい職場は必要だが・・・

仕事と介護の両立が、企業経営者の関心を集め始めています。徐々に、介護離職が顕在化してきたこともありますが、離職まではいかないものの、仕事と介護の両立に苦しむ従業員が増えてきているからです。

現在、仕事と介護の両立に先進的な企業の多くは、法定の介護休業制度を超えて、より休みやすい条件を整備しています。法定の93日間を超えて、年単位で休めるような制度のある企業も増えてきました。

ただ、こうした制度はありがたいものなのですが、本質的には、仕事を休まないですむ介護を目指すことが大事です。介護には、月平均で7万円程度のお金がかかり、親が資産家でもない限りは、子供のほうでも持ち出しが発生します。仕事を休めても、収入が減ってしまえば、仕事と介護の両立は難しくなるのです。

介護一時金も設計に問題がある

企業に向けた団体保険の営業も活性化してきています。その多くが、従業員の親に介護が必要になった場合に支給される一時金を売りにしています。企業としても、税金対策になるという側面もあって、導入を検討しているところも多いでしょう。

こうした団体保険は、親の要介護度に合わせて支給されることが多く、要介護度が高いほどに、一時金が増える仕組みになっています。ここには、実は、大きな問題があります。そこには、介護予防や介護になっても重度化を避けるようなインセンティブがないということです。

本当は、要介護度が低いうちから対応し、介護の重度化を避けるためにこそ、お金が必要なのです。対処療法的に、大変になってからお金が支給されるのではなく、予防としての投資が求められます。ここはまさに介護休業と同じで、本質的には、将来の介護を楽にするための予防的な投資を考えてください。

介護休業と一時金をフル活用する人材が増える?

そもそも、介護休業と一時金をフル活用しなければならない状況に陥ってしまった従業員には、仕事上のパフォーマンスは期待できないでしょう。企業の両立支援制度は、そうした人材がどんどん増えていく未来を前提にして設計されるべきでしょうか。それでは、企業の収益は悪化するばかりでしょう。

そうではなくて、親の介護がはじまっても、仕事を休まないで済む制度が必要です。また、親がまだ元気なうちに、介護予防のためにお金をつかう人材が増えることが大事でしょう。介護休業や一時金の対処療法に頼るしかなくなる前に、やれることがたくさんあるのが介護なのです。

親の介護は、平均でも10年程度は想定しなければなりません。そうした親の介護をしながら仕事をする従業員に必要なのは、ショットでの一時的な支援ではなく、継続的な支援です。その本質は、働き方改革のみならず、なかば強制的であったとしても、介護の準備をしている従業員を増やすことです。

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