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介護をしながら働く女性、離職予定が22.4%

介護をしながら働く女性、離職予定が22.4%

働く女性の意識調査

ソフトブレーン・フィールドが「働く女性の仕事と介護の両立に関する意識調査」を行い、その結果を発表(2018年9月28日)しています。調査対象となったのは、働いている女性745人と、母集団はそれほど大きくはありません。ただ、調査対象となった人々の平均年齢は47歳と、ちょうど介護不安を持つ年代の意見として貴重です。

まず、自分の周辺で介護が必要になっても働きたいと考えている女性は64.8%でした。この数字を逆からみたら、介護がはじまったら35.6%は仕事を辞める予定ということです。これは、他の調査結果と近く、あらためて問題の大きさが示されています。

さらにこの調査は、745名を「現在、介護が必要な親はいない人(467名)」と「現在、介護をしている人/過去に介護をしていた人(170名)」に分けて結果を分析しています。まず、「現在、介護が必要な親はいない人(467名)」の9割以上は、介護を不安に思っていました。

介護離職の経験者

この調査で意外だったのは「過去に介護をしていた人」の中で、介護離職の経験者が過半数を超えていた(55.9%)ということです。これは、イメージされている介護離職率よりも、かなり大きな数字です。実際に、この調査における「現在、介護をしている人」の中で「介護離職を予定している人」は22.4%でした。

「現在、介護をしている人」が、仕事をしているところに介護が乗ってきたことで変化したのは「プライベートの時間」が74.1%と最多でした。仕事の時間ではなく、プライベートの時間を犠牲にしながら介護をしている姿が目に浮かびます。

同じ質問への回答として「仕事」が変わったという人も52.4%ありました。これは「プライベートの時間」のほとんど全てを犠牲にしても足りず、結果として「仕事」にも影響が出ていると考えるべきところでしょう。そこから「介護離職を予定している人」の22.4%につながるのだと思います。

働く女性が期待すること

仕事と介護の両立を実現するために重要だと考えているのは「働きながら介護をする人に対する企業側の理解や制度」が63.0%で最多でした。介護業界からは、すぐに地域包括ケアという言葉が出てくるのですが、働く立場からすれば、雇用主である企業が介護について理解し、制度を整えることが重要とのことです。

これは、介護業界としても考えなければならない大きな問題でしょう。歴史的に、介護業界は、要介護者(利用者)のQOLに注目をしてきたものの、介護者としての家族のQOLに関しては、ほとんど手付かずという状態になっています。そして、そうした介護者にとっての本丸は、雇用主である企業が変わるということなのです。

ただ、介護業界は、一般企業とのつながりはほとんどありません。一部で、産業医ならぬ産業ケアマネのような形で、企業に入り込んでいる介護事業者も存在はしています。ただ、産業ケアマネの利用率はかなり低いという話もあって、ここには断絶が存在しています。

介護業界における地域包括ケアという言葉からは、企業を変えるという視点が抜けてはいないでしょうか。仮に、それが入っていたとして、そうした認識が広がっているでしょうか。企業もまた、地域包括ケアの一翼を担うはずなのですが、そうした意識が醸成されるには、まだ時間がかかりそうです。

※参考文献
・ソフトブレーン・フィールド株式会社(プレスリリース), 『《働く女性》6割以上が仕事と介護の両立を希望企業の両立支援が重要に』, 2018年9月28日

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