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東京都「仕事と介護の両立」に強い企業を公表

東京都「仕事と介護の両立」に強い企業を公表

仕事と介護の両立が急務

人口減少社会になっている日本の企業はいま、人材難の時代に突入しています。そうした状況においては、今いる従業員に少しでも長く働いてもらうための環境整備が、経営戦略上、非常に重要になってきています。

その中でも、仕事と介護の両立がしやすい環境の構築は急務です。そうした環境が整えば、他社を介護離職した人材を採用することも可能になっていきます。これだけの人材難の時代に、自社の人材の退職を防止しつつ、採用力を高めるための手段が、仕事と介護の両立なのです。

これまで、企業による介護をする従業員への取り組みは、不十分と言わざるを得ないものでした。しかし徐々にではあっても、企業の意識が変化してきています。経営会議の議題として、人事部門には、従業員の介護についての報告が求められるようになったという話も聞きます。

東京都の取り組み

そうした中、東京都が、仕事と介護の両立が可能な環境の整っている企業を公表するという動きに出ました。企業としては、ここに名前が出ないと、採用に不利になります。これから、様々な企業の人事部が、ここに自社の名前を載せるというプロジェクトを開始していくでしょう。以下、日本経済新聞の記事(2018年9月4日)より、一部引用します。

東京都は家庭と仕事を両立できる環境が整った企業の登録制度を始めた。育児と介護の2分野でそれぞれ、休業制度など14項目を書類審査と現地調査で確認。法律で求める以上に充実しているかや実際に利用した人がいるかなどを見て点数化する。得点に応じて星を付与し、10月に開設する特設サイトで公表する。(後略)

ここで注意したいのは、人材難という背景があるからこそ、こうした動きがあるということです。逆に、人材が余っている状態であれば、企業にとって従業員が辞めることは問題になりません。東京都の取り組みは評価されるべきものですが、この取り組みには賞味期限がありそうです。

人材が余る時代はやってくるか

人口減少社会を前提とした人材難は、企業を2つの方向に動かします。1つは、今いる従業員に少しでも長く働いてもらおうとすることです。そしてもう1つは、人材がいなくても仕事が進んでいくという自動化を進めることです。

後者の自動化には、人工知能が活用されていくことは疑えません。問題は、技術の進歩を背景とする自動化の流れは止まらず、どこまでも発展していくということです。これがある一定のラインを超えたとき、今の従業員でさえ必要なくなってしまうのです。

ある調査では、人工知能の発展によって、2030年までに、700万人以上の仕事が奪われるそうです。この未来が本当になってしまうと、企業の多くは、従業員の仕事と介護の両立を支援しなくなります。私たちは、そうした時代がこないことを祈るしかないのでしょうか。

※参考文献
・日本経済新聞, 『「育児・介護と仕事両立できる企業」 都、登録制度を開始』, 2018年9月4日

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