閉じる

【人事部向け】介護のカミングアウト;人事部が注意すべきこと

カミングアウト

介護をカミングアウトする従業員は少数

実際には、5人に1人(20%)のビジネスパーソンが、介護を抱えていると言われます。しかし、経営者や人事部として従業員を見ると、介護をしている従業員など(ほとんど)いないように見えるでしょう。それは、そうした従業員が、介護を抱えている事実を、会社に公表しない(カミングアウトしない)からです。

その理由は様々ですが、大きなところは(1)カミングアウトすると昇進・昇格に不利になる(2)カミングアウトしたところで介護が楽になるわけではないと思われている(3)介護を身内の恥だと考えてしまうことがある、といったあたりです。

しかし、これからの社会を考えると、経営者や人事部としては、従業員の仕事と介護の両立を支援していかないとなりません。さもないと、介護を理由とした突然の退職が増加し、会社として困ったことになるからです。こうしたことは、これまでもKAIGO LABで度々指摘してきました。

カミングアウトできる環境の整備が先

まずは、カミングアウトして、有給や介護休業を取得しても、昇進・昇格には不利にならないことを証明しないとなりません。具体的には、会社内で高い地位にある人の中で、仕事と介護を両立している人を「ロールモデル」として設定したり、トップからそうした明確なメッセージを出したり、できることは色々あります。

次に、カミングアウトすると受けられる具体的な仕事と介護の両立支援を充実させないとなりません。いかに、カミングアウトが昇進・昇格に影響しないと口では言っても、現実には、仕事のパフォーマンスが出ないと、昇進・昇格はないわけです。介護が楽になる方向も大事ですが、むしろ、仕事のパフォーマンスを出すことに役立つ支援策が必要です。在宅でも仕事ができるような環境整備など、ここでも、できることは色々あります。

最後は、介護は身内の恥でもなんでもなく、誰もが直面する当たり前のことだという認識の共有が必要です。ほとんどの従業員は、定年するまでには、介護がはじまるわけです。それは特殊なことでもなんでもなく、皆に起こることです。その苦しみを、職場の仲間とのネットワークで、少しでも軽減していくという空気の醸成が大事です。

同時に進めていくべきこと

カミングアウトできる環境の整備をしながら、同時に、現状の把握は進めないとなりません。カミングアウトしない従業員もまだ多いので、正確なデータは集まらないかもしれません。それでも、現状の把握なしには、対策も打てないわけです。

具体的には、節目の健康診断と同じように、節目の介護診断(介護に関する基礎知識の有無、介護への準備の有無、現在進行形での介護の有無、支援ニーズなど)を行いましょう。こうしたデータの分析を受けて、介護セミナーや介護研修をしっかりと実施し、社内に「介護する社員の会」のような社内コミュニティーを形成していきましょう。

プライベートでも助け合う従業員のいる会社は、仕事でも助け合えます。そもそも、人事評価の根幹は「同僚を助けられる従業員であるかどうか」です。助け合うことができるからこそ、組織になっているわけです。助けたり、助けられる必要がない人は、個人事業主であればよいわけですから。
 

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由