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昇進・昇格を求めない生きかた(介護をしながら検討すべきこと)

介護がはじまるということ

介護がはじまるタイミングが悪いとき

介護のはじまるタイミングが悪いと、中間管理職への昇進をあきらめたり、場合によっては役員のオファーを断るケースがあります。あまり、表には出ませんが、そうした場面に直面した人を、複数知っています。

経営者や人事は、これを問題として考えてはいます。しかし、なにか具体的な対策が取れているわけではありません。組織のリーダーになっていくということは、その責任と報酬に見合った「犠牲」が強いられるのは、仕方のないことだからです。

ここ一番のトラブルで、ビジネスの現場にいられないことは、責任をまっとうできないことにもなります。そうしたことを考えると、介護がはじまるタイミングによっては、どうしても受けられない昇進・昇格というのは(今はまだ)存在してしまうのです。

長期的には、社会のほうが変わっていきますが・・・

もちろん、いずれはそんなことを言っていられない時代が来ます。介護は、基本的には、誰もが、定年までにははじまるイベントになっていきます。それは、現役世代1人あたりが関わる高齢者の数が、これから劇的に増えていくからです。

ただ、多くの企業にとっては、実際にそうした危機的な状況が来ないと、対応することが難しかったりします。介護をしたことのない人から、介護に対する理解を得ることは、現実的には、まず無理だからです。自分自身も、介護がはじまるまで、まさかこれほど大変なものだとは想像できていなかったはずです。

とはいえ、少しずつではあっても、介護をしている人が周囲に増えていく中で、社会全体の理解が深まっていきます。介護をしながら、普通に昇進・昇格をしていけるような状況が生まれるのは、その後の話になるでしょう。

本当に先進的な企業とは、社会を変えるために、リーダーシップをとって、こうした環境を先取りできる企業です。ただ、自分がそうした本当に優れた企業の従業員である確率は、決して高くはないと考えるべきだと思います。

介護のはじまりで、考えなければならないこと

管理職への道は、いったん忘れて、仕事と介護が両立できる環境の整備に集中することも検討してみる必要があります。運良く、介護が安定するまでの期間が短ければ、また、管理職を目指すことも可能でしょう。ただ、そもそも先が見えないのが介護の現実でもあります。

見えない未来を、自分に都合良く解釈して、それを前提にキャリア設計するのは、やはり無理があります。最悪のケースを想定するのも、ビジネスでは常に必要な態度でしょう。であれば、介護が結構な負担になる場合、どうするかというビジョンが求められます。

しかし仕事だけは、続けないと、介護も続けられなくなります。介護を理由とした退職は、統計的には、あまりよい結果になりません。であれば、管理職としてではなく、スペシャリストとしてのキャリアを考えていく必要があるでしょう。

特定分野の専門家として、いざとなれば独立できるようなレベルで、特定の知識を溜め込むことがリスクを下げます。介護対応で出社できないとき、細切れの時間であっても、資格の勉強などをしておきましょう。個人商店として、社内外の人からの信頼を得て、豊かな人脈を築いていきましょう。

そして、ここが最も重要なところですが、会社の仲間たちに、介護とはなにか、伝えられる存在になっていきたいところです。可能なら、ロールモデルとして、会社内の介護リテラシーを高めるために、人事部に協力できたら最高です。それによって、いつかはまた、管理職への道も開けるかもしれません。

仕事と介護の両立は、かなり大変です。ただ、死ぬわけではありません。専門性を高めながら、同時に、介護そのものについても学ぶことが、具体的にできることです。不運を嘆いても、未来は変わりません。自分でコントロールできることを、しっかりとコントロールすることで、開けてくる世界もきっとあると信じています。
 

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