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多くの人の仕事が奪われるが、介護業界がそれを吸収する?

多くの人の仕事が奪われるが、介護業界がそれを吸収する?

マッキンゼーによるレポート

世界でもっとも著名なコンサルティング企業といえばマッキンゼー(McKinsey & Company)です。そのマッキンゼーが、ロボットにより奪われる仕事について、レポートにまとめています(英語の原文はこちら)。

このレポートは、そもそもの前提として、現存する仕事の最大50%までは、自動化することができるとしています。まずは以下、Business Insider に掲載された本レポートのまとめ(2017年12月3日)を引用します。

・ロボットと自動化は、2030年までに世界中で多くの仕事を奪う —— その影響は、特に先進国で大きくなると懸念されている。

・反復作業やデータ関連、比較的スキルを必要としない仕事が、最も影響を受ける。

・これは、ロボットにより多くを投資する豊かな国で、より顕著になる。

・ただし、老人介護など、別の職種を視野に入れることで、職を失った人々の雇用は確保できるとの予測も。

日本のロボット投資と人材不足の状況

ご存知のとおり、日本のロボット投資は、かなり熱を帯びてきています。たしかに、政府による投資額としては、アメリカには遠く及びません。しかし民間による投資まで入れると、アメリカを除外した世界では日本はトップクラスです。

同時に、日本は深刻な人手不足にあります。企業のほとんど半数が「正社員が不足している」と考えています。しかし社会が変化しており、こうした人材不足を無理な残業で乗り切ることもできません。

先の、マッキンゼーによるレポートが伝えるところを信じれば、日本では、ロボットにより雇用が奪われるケースが増えていく可能性が高いわけです。さらに、そうして仕事を奪われた人材は、人材不足に悩む介護業界で働くようになるかもしれません。

介護業界の待遇を改善する意義

今はまだ、多くの人にとって、全63業界中でもダントツ最下位という介護業界の待遇の悪さは他人事かもしれません。しかし、こうして、将来の就職先になる可能性のある業界として介護業界を考えてみるべきではないでしょうか。

もちろん、こうした未来予測のレポートが完全に外れる可能性もあります。しかし未来は、楽観的に考えておくよりも、悲観的に考えてそれに準備したほうがよい時代ではないかと思うのです。

いかなる業界、いかなる職種であっても「正当な対価」を受け取れる状態であることは、最低限のことです。しかし、介護業界について学べば学ぶほどに、この業界の待遇の悪さは、明らかに不当と言えるものになってしまっています。

ロボットが人間の仕事を奪いつつあることは、誰にとっても深刻な問題のはずです。そして、そうして失われた雇用の受け皿として、介護業界が有望視されている今こそ、介護業界の待遇の改善を、業界内の問題ではなく、より社会的な問題として広げていくべきではないでしょうか。

※参考文献
・Business Insider, 『2030年までに8億人が失業? 自動化の影響は先進国で顕著に —— マッキンゼーが報告』, 2017年12月3日

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