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週休3日社会がやってくる?仕事と介護の両立を超えて

週休3日社会がやってくる?仕事と介護の両立を超えて

広がる週休3日制

現在、日本の企業の5.8%が、週休3日制(強制でなく選択できるというケースが多い)を導入しています。日本IBM、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ヤフーといった大企業が週休3日制を導入といったニュースは、記憶に新しいところでしょう。

労働者のほうはといえば、過半数が、週休3日制に賛成です。介護の不安がある50代はもちろん、20代などの若手でも、週休3日制を喜ぶ人々が多いのです。民主主義社会において過半数ということの意味は大きく、もはや無視できない潮流になってきています。

この背景には(1)育児や介護によってフルタイムでは働けない人材が増えていること(2)労働力人口の減少にともなって人材確保ができない企業が増えていること、があります。労使双方の事情が噛み合ってきているということです。

これは、単純に労働時間が減るという話ではありません。なかなかない、大きな社会変革のチャンスです。この流れをきっかけとして、様々なイノベーションが、日本から生まれてくるかもしれないのです。

生産性の改善に向けた意識改革が起こる

週休3日制となっても、給与が下がってしまっては困ります。現在は、人材不足と好景気がありますから、企業側としても、労働時間そのものが減ってしまうことには、難色を示すような状態です。そこで、週休3日制を実現するために、1日の労働時間を8時間から10時間にするという流れがあります。

これは結局、長時間労働であり、ストレスにもなります。家族と過ごす時間が減りますし、通勤に時間がかかる人にとってはかえって大変なこともあるでしょう。ここで、自然な形での意識改革が起こる可能性があります。なんとか、効率を高めて、給与はそのままに、平日の労働時間を減らそうとするはずだからです。

そもそも、企業に価値をもたらすのは、労働時間ではなくて、成果です。より短い労働時間で、より大きな成果を出せれば、経営者は文句を言いません。むしろ、労働時間が減れば、地代家賃や光熱費といった費用を安く抑えられる可能性もあるため、そのほうがよいくらいです。

はじめのうちは、長時間労働や休日出勤もあると思われます。しかし、中・長期的には、労使の願いは労働時間の削減と、成果の向上というところで一致しているため「効率的に仕事をして、より大きな利益をあげよう」というビジョンは共有しやすいはずです。

副業が増え、中から新しい成功者が出てくる

はじめのうちは、子育てや介護のために、週休3日制を活用するということが常識化していくにとどまるでしょう。しかし、労働生産性が改善していく中で、特に子育てや介護といった時間確保の必要性がなくても、週休3日制で働く労働者も増えていきます。

こうした労働者は、生み出された時間を使って、余暇を楽しむこともあるでしょう。それはそれで、消費が増えるので、国全体としては嬉しい話です。同時に、そうした時間を使って勉強をする人や、副業をはじめる人も出てきます。昔とは異なり、現在は、簡単に副業がはじめられる環境も整っています。

こうした副業の中から、新しい成功者も生まれてくるでしょう。それが新たな雇用を生み出し、日本全体を活性化していく可能性もあります。特に、労働力が、平均賃金が安い産業から、こうした新しい産業にシフトすることで、日本全体の平均賃金も上がっていくかもしれません。

この流れが本格化すれば、税収が増え、社会福祉もより充実していきます。介護業界は、こうした国全体の経済状態の改善を受けて、待遇をより価値にみあったところまで向上させることができます。そう考えると、介護業界の存在は、新たな産業を生み出す人々に時間を提供するという意義があることが、改めて実感できます。

※参考文献
・NHKクローズアップ現代, 『「週休3日」最前線 収入はどうなる?残業は?』, 2017年8月2日

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