閉じる

介護現場の「困難事例」にならないために

介護現場の「困難事例」にならないために

介護現場の「困難事例」とは?

介護業界には「困難事例」という言葉があります。簡単に言ってしまえば、モンスターペアレンツならぬ、モンスター高齢者の存在を、業界外の人にそれとわからないように表現した言葉です。むちゃくちゃな要求をしてきたり、セクハラをしたり、ひどいクレーマーだったり、中身は様々です。

家族の介護をする場合、介護のプロから「困難事例」と認定されてしまうと、嫌がられ、介護サービスが受けにくくなってしまいます。ですから、たとえば親の介護をしている場合などは、注意して、自分の親が「困難事例」に該当していないかチェックする必要もあるのです。もちろん、家族である自分自身が「困難事例」になってはなりません。

こうした「困難事例」については、なかなか一般には出てこないのですが、先月末にPRESIDENT Onlineが記事にしています。以下、そのPRESIDENT Onlineの記事(2017年9月30日)より、一部引用します。

「ケアマネは例外なく困難事例を体験していますが、実際に担当することが多いのは男性ケアマネですね。精神的にキツいケースや身に危険が及ぶケースもあって、女性ケアマネがそういう利用者さんに当たってしまった場合、急遽、男性ケアマネが代わって担当することが多いからです。どこからが困難事例か、という線引きは難しいので統計などはないと思いますが、私の経験では担当する利用者さんの1割ほどが困難事例です」(中略)

一方、家族が介護サービスを妨げることもあります。以前、当欄で取り上げたパラサイトシングルの長男が介護者であるケースです。自らの収入がないため、親の年金が頼りの生活。自分の自由になるお金を確保するには、介護サービスにかかる費用を削るしかない。ということで、ケアマネージャーがつくったケアプランを受け入れず、介護サービスを最低限にしてしまうのです。これも困難事例のひとつで、こういうタイプは、もし親の体調が悪化したり不快な症状を訴えたりしても、お金のために無視してしまうのかもしれません。

1割の「困難事例」にならないために

先の記事で非常に意味があるのは、実感値にすぎないとはいえ、こうした「困難事例」には全利用者の1割程度が該当するという部分です。そもそも「困難事例」には明確な定義がないことを考えると、たとえ実感値であっても、介護を考える上での指針になります。

まず、介護をする家族として確認しておきたいのは、介護のプロに対して「うちは困難事例ですか?」と率直に聞いてしまうことです。正直に答えてくれるかどうかはわかりませんが、それでも、自分たちは「困難事例」にはなりたくないという意思の表明と合わせて質問すれば、こちらが改善すべき点も明らかになるかもしれません。

実はこれは、介護に限った話ではありません。自分のことを客観的に観察するのは、誰にとっても難しいことです。だからこそ、ときには他者からみて、自分はどのような状態にあるのかを確認することが大事になります。

学習理論においては、こうしたフィードバックは、大人の成長の2割に影響することも言われます。他者からの苦言を受け入れるということですから、精神的にも辛いことではあります。しかし、フィードバックを受け付けなくなってしまえば、私たちの成長も止まってしまうのです。

※参考文献
・PRESIDENT Online, 『「金よこせ」介護現場の高齢者クレーマー』, 2017年9月30日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

介護に強い保険に見直しませんか?