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【人事部向け】介護ハラスメント(ケアハラ)に関する研修を行なっていますか?(改正法が施行されています!)

【人事部向け】介護ハラスメント(ケアハラ)に関する研修を行なっていますか?(改正法が施行されています!)

改正育児・介護休業法が2017年1月1日から施行

過去にも、介護に関する事業主の義務として「育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱いの禁止(育児・介護休業法第10条)」がありました。従業員が、介護休業や介護休暇、介護のための時短勤務などを選択したからと言って、不当に給与を下げたり、降格させたり、解雇したりすることは違法行為になります。

2017年1月1日からは、これに加えて「上司・同僚からの育児・介護休業等に関する言動により育児・介護休業者等の就業環境を害することがないよう防止措置を講じること(育児・介護休業法第25条)」という法律が施行されています。

介護に関して上司や同僚が「また休むの?」「時短勤務になるなら、昇格はしないよ」「休みをとるなら、辞めてもらうしかないね」といった言葉を投げかける「介護ハラスメント」が禁止され、そうしたことが起こらないようにするための対策をすることが事業主に義務づけられました。

特に、上司にあたる人が、こうした発言を行った場合、たとえそれが1回であっても該当します(同僚の場合は、繰り返し継続していることが該当)。管理職のほうがリスクが高い状態にあり、事業主としては、特に管理職に対する対策を行なっておく必要があります。

ハラスメント自体は、それを起こした本人の責任ではあります。しかし、そうしたことが起こらないような対策をすることは事業主の責任とされているのです。研修などでしっかりと教育をしないままにハラスメントが起こった場合、事業主の責任が問われます。

ようするに、どういうことなのか?

セクハラやパワハラで忙しくしてきた人事部としては、そこに介護ハラスメント(ケアハラ)という新しいハラスメントが乗ってくると認識すると良いでしょう。対処すべきハラスメントの幅が広がるわけです。

これは、今年の1月1日から法的な効力を持っているので、すでに対応が終わっている場合はともかく、そうでないなら、急がないとなりません。とはいえ、現在の人事部で、介護に関するノウハウがたまっているところは多くはありません。

まず、手を打たないとならないのは、介護ハラスメントについて、きちんと研修を整えるということです。また、既にセクハラ、パワハラについては相談窓口が設置されているはずです。その相談窓口の受付内容として、介護ハラスメントも追加してください。そして、就業規則にも介護ハラスメントの罰則規定を入れておけば、いったんは形になります。

研修、相談窓口の受付内容変更、就業規則の変更の3本柱の構築を急いでください。その上で、理想的な介護相談窓口の形を考えながら、以下の指針のポイントも参考にしていただけたらと思います。

事業主に求められることについて(指針のポイント)

厚生労働省は、事業主に対して、従業員の意識改革を含め、相談しやすい窓口の設置など「仕事と介護の両立」について指針(平成21年厚生労働省告示第509号)を出しています。この指針のポイントを、厚生労働省が別にまとめている資料(厚生労働省, 2016)を参考としつつ、KAIGO LAB として以下、簡単に示しておきます。気になる場合は、原典を当たってください。

介護ハラスメント防止施策
具体的な内容に関するポイント
方針の明確化と周知 ・介護ハラスメントとはなにかを明らかにして、事例とともに従業員に対して示す
・介護ハラスメントを許さないという方針を示して、特に管理職層に対して周知する
・介護ハラスメントを行った従業員に対しての罰則規定を整え、従業員に対して周知する
相談や苦情を受け付ける体制の整備 ・介護相談窓口を設置し、その利用方法を従業員に周知する
・介護相談窓口の担当者の業務内容と、相談があった場合の対応方法を設定し、理解させる
・相談があるのを待つのではなく、介護ハラスメントが実際に起こっていないか、また、発生のリスクがないかどうかを能動的に理解する
介護ハラスメントがあったときの対応 ・事実関係を、できるだけ早く、かつ正確に確認し、経営に報告すること
・事実関係の確認ができたら、すみやかに被害者に対する配慮を行う
・事実関係の確認ができたら、すみやかに介護ハラスメントを行った従業員に対する措置を行う
・そこから学べたことを、介護ハラスメントの再発防止施策としてまとめ、将来に活かすこと
介護ハラスメントの原因になりえる要因を解消する ・柔軟な休みの取りにくい業務と、休みの取りやすい業務などを整理して、仕事と介護の両立が求められる従業員でも、問題なく働けるような環境を整備していくこと
・柔軟な休みの取りにくい業務を、計画を立てて、できる限り減らしていくこと
その他の対策 ・仕事と介護の両立に悩む従業員はもちろん、介護ハラスメントを行ってしまった従業員についても、従業員のプライバシーを保護するために必要な対策を行うこと
・介護ハラスメントに関する相談をしたことはもちろん、背景となる事実関係の確認に協力したといったことで、従業員が不利益を被らないこと

※参考文献
・厚生労働省, 『職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!』, パンフレットNo.12(第2版), 2016年9月
・厚生労働省, 『子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針』, 平成21年厚生労働省告示第509号

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