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今後、介護離職者が増えると回答した企業は○○%(ニュースを考える)

今後、介護離職者が増えると回答した企業は○○%(ニュースを考える)

介護離職が増えると回答した企業は71.3%

企業における40〜50代の人材が増えています。親の介護がはじまるのは、ちょうどこの年代です。つまり、企業の従業員に占める、仕事をしながら介護をする人の割合が増加しているのです。

また、今の40〜50代は、昔の40〜50代とは異なり、未婚率も高く、兄弟姉妹がいないという点も無視できません。介護がはじまったとき、その負担を分散できないという特徴があります。専業主婦が減っていることも、この問題に拍車をかけます。

仕事をしながらの介護を、昔よりも少ない人数で担当する時代なのです。そうした人が増えている今、介護離職が爆発的に増加しても不思議ではないでしょう。そして、少しずつその傾向が明らかになってきています。以下、日経新聞の記事(2017年1月21日)より、一部引用します(改行位置のみ、KAIGO LAB にて修正)。

東京商工リサーチが民間企業7391社に対して実施した調査で、過去1年間の間に介護離職者が全体の9.8%にあたる724社で発生していたことが分かった。将来介護離職者が増えると回答した企業も5272社(71.3%)に上った。

介護離職者が増えると考える理由を「従業員の高齢化」と答えた企業が8割に上った。介護休業制度の不備などを理由に挙げた企業もあった。仕事と介護の両立に向けた取り組みについては、5割の企業が「介護休業制度の明文化」と回答した。

仕事と介護の両立に必要なのは具体的な支援

先の引用の中では、仕事と介護の両立に向けた取り組みとして「介護休業制度の明文化」と回答した企業が半数となっています。当然なのですが、介護休業制度を明文化したくらいでは、介護離職は減らせません。

介護離職を減らす具体的な方法としては、過去に『介護離職を回避するための5つのポイント』という記事でまとめています。また、介護をする人が困っていることについても『介護者が困っていること(7項目)に対して、企業ができること。介護離職を少しでも防止するために。』としてまとめています。

とにかく、仕事と介護の両立に必要なのは、介護休業制度の明文化ではなく、具体的な支援です。介護に苦しむ従業員のために具体的な支援をするには、まずは、そうした従業員の課題やニーズを把握することが大事です。

大火事にバケツを準備する愚

介護離職の問題は、企業経営にとって、非常に大きなリスクになります。その大きさは、まさに大火事と言ってよいレベルのものです。それに対しての準備が、介護休業制度の明文化程度というのは、愕然とします。まるで、迫り来る大火事に対して、バケツで対応しようとしているかのようです。

経営者の場合、見えている大きなリスクに対して準備をしないということは、株主から経営を任されている立場として、怠慢になります。場合によっては、善管注意義務違反(当然払うべき注意を怠ること)を問われる可能性もあると思います。

特に、40〜50代の従業員というのは、会社の中でも重要なポストについていることも多いでしょう。この年代の従業員が、多数介護離職をすることになるという危機感を持つべきなのです。

7割以上の会社が、将来介護離職が増えると考えているのに、少なくとも半数の企業が、それに正しく対応できていない可能性があります。まずは、自社が大丈夫なのか、経営者や人事部は、しっかりとアセスメントする必要があるでしょう。

※参考文献
・日本経済新聞, 『介護離職「将来増える」 企業の7割が回答 民間調べ』, 2017年1月21日

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