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介護休業取得、企業向けの助成金が年内に実現?(ニュースを考える)

介護休業取得、企業向けの助成金が年内に実現?

介護休業が取得されると企業にお金が支払われる?

厚生労働省が、介護離職の防止に向けて、企業側へのインセンティブ(行動を誘発するための条件)を設定しようとしています。簡単に言えば、1ヶ月以上の介護休業を取得した従業員1人につき、40万円を企業に支払うというものです。以下、日経新聞の記事(2016年10月3日)より、一部引用します。

厚生労働省は介護を理由にした離職を防ぐため、企業向けの助成金を新設する。1カ月以上の介護休業の取得で1人当たり40万円を事業主に支給。介護のために3カ月以上残業を抑制するなどしたケースでも、1人当たり20万円を支給する。介護離職者は年間10万人いるとされており、厚労省は年内の導入をめざす。

助成金の名称は「介護離職防止支援助成金」。出社時間をずらせる仕組みや残業時間の制限といった、従業員の介護の負担を和らげるための支援策を取り入れている企業が対象。介護休業を取得する従業員向けに支援計画を作ることも求める。

企業あたり4名までという制限があったりもしますが、逆に、中小企業には1人あたり60万円とするなど、メリハリもついています。企業側にとって、いろいろと報告の義務なども発生し、運用は大変になりそうですが、それでも、意味のある改革です。

介護休業を取得すると離職率が高まるリスクには注意したい

このインセンティブによって、介護休業は取得しやすくなるでしょう。ただ、どうしても注意しておきたいのは、介護休業が、介護離職につながってしまうリスクの存在です。良かれとおもって介護休業をすすめたら、結果として離職されてしまったということでは、逆効果になってしまいます。

このリスクを端的に説明してしまえば「従業員は、どんな理由であれ、あまりに長期間にわたって職場を離れると、離職しやすい」ということです。ですから、介護支援制度は、必要なときに、必要な日数だけ、こまめに有給休暇を取得するという形式に向かう必要があります。

今回のインセンティブ設計では、しかし、1ヶ月以上の介護休業でのお金の支給になります。1ヶ月以内で休業を終わらせようとする従業員に対して「あと数日休んでください」といったコメントがなされる可能性があります。これが起こってしまうと、危険なのです。

本当に必要なインセンティブとは?

企業としては、従業員が、介護に使うための有給休暇を増やすためのインセンティブが欲しいところです。先に考えたとおり、1ヶ月以上といった条件はむしろブレーキになりえます。従業員が自由に、使いたいだけ(限度はあるものの)使える有給休暇が、きっと介護離職の防止に役立ちます。

たとえば、みずほフィナンシャルグループの最大240日までの有給休暇積立制度などは、参考になります。本当に従業員の立場になって、国家レベルでの介護支援制度を作り上げていきたいものです。

年になんども休むことになっても、1ヶ月以上も連続して休ませないことが、企業にとっても、従業員にとっても、仕事と介護を両立していくために必要なことです。これに向けて、在宅勤務などの多様な勤務形態への対応もすすめていくことで、日本の国力は増加していくはずです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『介護休業取得で1人40万円 企業向けに助成金』, 2016年10月3日

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