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【保存版】介護のために会社を休む場合;気をつけたいポイントがいっぱいある

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大原則;会社の人事部に相談する

介護を理由とした退職は、非常にリスクの高い選択です。ですから基本的に、介護で退職はせずに、なんとか会社の介護制度を上手に利用して、多くの主たる介護者に仕事を続けていただきたいです。

さて、介護休業法そのものを理解しようとすると、大変です。複雑なだけでなく、法律の常として、わかりにくいものになっています。法改正も多く、いちど理解したと思っても、それが古いものである可能性もあります。一番まずいのは、法律の素人として勝手に解釈して、法律を誤解してしまうことです。

全ての日本の企業は、介護休業法に従わなければなりません。それぞれが今、勤務している会社にも、この介護休業法が適用されています。会社は、顧問弁護士や社会保険労務士などに相談しながら、会社独自の介護対応をつくっています。

会社独自の介護対応?

法律は「最低限の道徳」と言われます。会社として法律に従うのは当然です。しかし、それは「最低限」であって、会社はそれぞれに、法律以上の独自の制度をつくるべく頑張っています。「最低限」だと、恥ずかしいと考えるからです。

会社にとって、介護休業法の適用は、それ自体が目的ではありません。介護を理由にした退職を避けることが、目的です。介護で退職されてしまうと、新たに採用をしなければならなくなります。そして、こうした採用コストは年々上がっています。

仮に、今の会社の制度が、あまりよくないものだとしましょう。しかし会社としては、ルールを厳格に守ることではなくて、退職を防ぐことを目指しています。制度がよくないなら、それを変えていく準備もあるはずです。退職を決意するよりも、会社の制度を変えることのほうが簡単な場合もあると考えられます。

大和ハウス工業株式会社;親孝行支援制度

http://www.daiwahouse.co.jp/release/20150327094033.html

当社では、2012年4月、期限の上限がない介護休業制度を導入し、自ら親の介護にあたる社員に対する支援制度の充実化を図ってきました。しかし一方で、これまでは転勤等により遠方(介護施設など)に介護が必要な親をもつ社員は、親元に何度も帰省しなければならず、旅費負担が足かせとなっていました。そこで当社では、年4回を上限に、帰省距離に応じた補助金(1.5万円~5.5万円/回)を支給する「親孝行支援制度」を導入し、遠方に介護が必要な親をもつ社員の経済的負担の軽減を図ります。

サイボウズ;ワーク・ライフ・バランス支援制度

http://cybozu.co.jp/company/news/2006/20060731.html

介護休業:要介護状態に問わず最長6年間休業可能。休業回数は特に定めない。介護短時間勤務:要介護状態に問わず家族を介護する社員が希望した場合に適用可能。勤務形態については、状況に応じて適宜変更可能。期間は特に定めない (無制限)。

ゴールドマン・サックス;介護支援制度

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD05H43_W5A200C1MM0000/

米投資銀行ゴールドマン・サックスの日本法人は約1200人の全社員を対象に介護支援の制度を導入する。ニチイ学館と契約し、社員の家族1人当たり年間100時間分の介護サービス利用料を会社が全額負担する。女性管理職が親の介護を理由に退職する例が出ていることから、働きやすい環境を整え優秀な人材のつなぎ留めを図る。

その上で、介護休業法のわかりにくい点について少し知っておく

会社の介護に関する休業制度について、きちんと理解することが、何よりも大事です。普通は法律よりも条件が良いからです。その上で、介護休業法のわかりにくい点についても、大枠は知っておきたいところです。ここは、人事部の担当者でも、迷いやすいポイントであり、間違う可能性もあるからです。

(1)介護休業

まず、法律上の介護休業は、家族1人あたり「原則1回」のみ、最長93日間(のべ)で取得できるというものです。要介護状態にある家族への対応が、複数回必要になったときに「原則1回」の法律に触れる可能性があります。

運用上は、まず「原則」とはなにか、わかりにくいです。また、家族1人につき93日が上限なのですが、「のべ」というところは、要介護状態に変化があったかどうかによって運用が異なります。93日以内の追加の介護休業の取得には、要介護状態の変化が必要だったりします。ここも非常にわかりにくい部分です。

厚生労働省の研究会でも、この点が議論されており、将来的には「短期間の休業を分割して複数回取れる」方向に向かうと思われます。ただ、現在はまだ、とても複雑になっています。

(2)介護休暇

次に「介護休暇」についてです。「介護休業」とは違うので注意してください(本当にまぎらわしいですね・・・)。法定では、家族の通院の付き添いなどのために、対象家族1人の場合は年5日まで、対象家族2名以上の場合は年10日まで取得できることになっています。事業主は、労働者からの介護休暇の申出を拒むことはできません。

ただ、実際には「介護休暇」に「有給休暇」を追加したりすることで、必要なだけ休むのが普通です。「5日を超えているので、休めません」という人事部からの回答がありえますが、そこは別の休暇と組み合わせればよいだけです。

(3)時間外労働・深夜業の制限

家族を介護する人は、時間外労働の制限や深夜業の免除を請求することができます。また、事業主は、短時間勤務制度、フレックスタイム制または時差出勤の措置を講じなければなりません。

ただし、育児中の人は会社に求めれば「残業を免除される」のですが、これは、介護をする人は対象になっていません。これも、厚生労働省の研究会で議論されていますが、今のところ法律的には「残業は断れない」ということです。時短が認められているのに、残業は断れないというのは、非常にわかりにくいです。

(4)介護対応を理由とした不利益変更はダメ

介護対応を理由として、解雇されたり、契約の更新を停止されたり、退職又は正社員を非正規社員とするような労働契約内容を変更されたり、自宅待機を命じられたり、降格させられたり、減給されたり、賞与等において不利益な算定を行われたり、不利益な配置転換を行われたりした場合(=不利益変更された場合)、それは会社側の法律違反です。

とはいえ、現実に介護を理由として長期休暇を取って、休暇前と同じパフォーマンスを出すのは難しいでしょう。ここにグレーゾーンが生まれてしまいます。会社を訴えることもできますが、現実には、それで勝ったとしても、キャリアが前に進むことはあまりないと思われます。基本は、話し合いで解決していきたいものです。

わすれないで!介護休業を取得した場合のキャッシュバック申請

「介護休業給付」とは、労働者が介護休業を取得しやすくするための制度です。この給付は、家族の介護で介護休業を取得したときに、給料が下がった場合や、全くもらえなかったときに得られるものです(会社によっては、介護休業中も給与が支払われる場合もあるので、会社に確認が必要です)。

申請のプロセスは(1)介護休業開始(2)介護休業終了(3)事業主からハローワークに受給資格確認申請と支給申請(4)支給の決定と「支給決定通知書」交付(5)支給決定日から約1週間後に指定金融機関に振り込み、という流れになっています。

これが適用される要件も、素人には細かくてとてもわかりにくいものになっています。ですから、人事部に相談しながらとなりますが、原則として、休業開始前に受けていた平均賃金(6カ月間の平均給料で、ボーナスは含まない)の40%が、介護休業を取得していた日数の日割りで支給されます(上限は93日分 / 支給額自体にも上限あり)。

お知らせ

KAIGO LABは、介護休業法の遵守というレベルを超えて、仕事と介護の両立を実現し、従業員の退職を防止するための制度整備に励む企業を応援します!制度整備や研修についてお悩みの企業の方は、お気軽にご連絡ください。微力ですが、できるかぎりサポート致します。

 

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