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仕事と介護を両立できると回答した人は○○%でした。

仕事と介護を両立できると回答した人

仕事と介護を両立できると回答した人は約1割

有料老人ホーム経営のオリックス・リビングが実施したアンケートによれば「仕事と介護の両立ができる」と回答した人は約1割(9.7%)にすぎなかったそうです。これに対して、残りは「両立できない(58.1%)」、「わからない(32.2%)」という結果でした。

この中では、特に、40代の女性のところで「両立できない」と答えた人が3.0%と低い数字が出ています。この年代の女性には、仕事と子育ての両立ですでに限界に近い人も多く、その上に介護がのしかかれば、いわゆる「ダブルケア」となります。この数字は、これを不安視していることが原因だと予想されます。

はっきりと「両立できない」と答えているのが約6割にもなるという事実は重いです。政府が掲げる「介護離職ゼロ」の難しさが改めて証明された形です。政府には、こうした人の考えをどう変えていくのかが求められています。

しかし、すでに介護保険の財源は枯渇しつつあります。これから、2025年に向けては、今と同じレベルの介護サービスを維持するだけでも追加で10兆円規模の予算が必要と言われます。

介護に不安を感じると回答した人は約9割

誰もが、こうした日本の社会福祉財源が危険であるという事実を感じているためか「家族の介護に不安を感じる(37.0%)」、「やや不安を感じる(48.3%)」という結果が出ています。この不安の内訳としては「精神的な負担(67.8%)」、「費用面の不安(67.2%)」、「体力的な不安(59.1%)」となっていました。

実は、介護離職をした人に対する別の調査結果によれば、介護離職をすると、精神的・経済的・肉体的な負担はかえって増加する(約70%)ことがわかっています。

ですから、皆が不安に感じていることは、介護離職をすると現実になってしまうわけです。その意味では「仕事を続けられない」という人が約6割いて、不安に思っていることが精神的・経済的・肉体的なものであることは、つじつまがあっています。その不安は、実に正しいのです。

また、「老老介護に不安がある」としたのは約8割でした。「不安を感じる(35.0%)」、「やや不安を感じる(47.7%)」というのが内訳です。「不安を感じない(4.0%)」という人がかなり少ないのは、大手メディアなどで連日報道されている老老介護をめぐる事件の影響だと思われます。

自分自身の介護の準備をしている人は約1割

家族の介護ではなくて「自分自身が介護されることが不安」と思っている人も約9割もいました。しかし、自分に介護が必要になったときのことについては「まだ何も考えていない(67.6%)」が最多で、2位となった「考えているがまだ家族に伝えていない(24.6%)」を大きく引き離しています。「具体的な介護方法や、施設のことまで家族に伝えている」という準備が整っている人は、本当にごくわずか(1.6%)でした。

具体的な準備ができていない理由としては「イメージがつかないから(45.8%)」、「まだまだ先だと思うから(35.3%)」というものが多かったようです。イメージがつかないというのは、仕方のないことかもしれません。

しかし、その結果として「人生設計の中に介護費用が含まれていない(72.4%)」というところにつながってしまっているのは、かなり大きな問題です。介護費用の負担は、子供任せというあたりは、本当に恐ろしいです。

当然ですが、介護に限らず何事も、準備をしておくと、将来の負担を減らすことができます。特に介護は、はじまってからパニックになることが多いため、それを避けるだけでも、介護離職のリスクを下げられるのです。

高齢者になってからの地方移住を希望する人も約3割いる

高齢者になったら地方に移住し、そこで介護予防をしながら終生をそこで生きるという考え方もあります。これは現在、国も推進しようとしている「CCRC構想」と呼ばれるもので、アメリカでは成功している(と言われている)構想です。

高齢者になったら、地方への移住を希望するという人は約3割もいました。内訳は「希望する(5.3%)」、「どちらかというと希望する(25.4%)」というものです。ここには、小さいながらも希望があります。

このアンケート結果を参照しているメディアの報道は、これを逆から読んで「高齢者の地方移住は、約7割が希望しない」という伝え方がされています。しかし、むしろ約3割もの高齢者が移住を希望しているということのほうが、大事な部分だと思うのです。

実際に、東京圏への人口流入と、東京圏からの人口流出のデータを見ると、50〜74歳のところで、東京圏から出て行く人口のほうが、東京圏に入ってくる人口よりも多くなっているのです(脱東京)。この部分に対するテコ入れは、地方の活性化にとっても、とても大事な施策となっていくでしょう。

介護に関する社会的な認識のまとめ

介護テーマ
人々の認識
1. 仕事と介護の両立 両立できるとする人が約1割
2. 家族の介護への不安 不安に思っている人が約9割
3. 自分が介護されることへの不安 不安に思っている人が約9割
4. 自分が介護される準備 何もしていない人が約7割
5. 自分の介護費用 人生設計に含まれていない人が約7割
6. 地方への移住(CCRC構想) 希望する人が約3割

※参考文献
・オリックス・リビング(Press Release), 『介護離職せず家族の介護と仕事を両立できると思うのは約1割』, 2015年11月4日

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