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パナソニックが、親の介護に対して300万円の融資(ニュースを考える)

パナソニックが親の介護に300万円

企業の介護支援制度が充実しはじめてきた

過去にもホンダや日立製作所などの介護支援制度の事例を紹介してきました。そうした中、この4月より、パナソニックも、これまで以上に充実した介護支援制度を打ち出してきました。以下、産経新聞の記事(2016年3月18日)より、一部引用します。

パナソニックは18日、親の介護に当たる社員の負担を減らすため、最大300万円の融資制度を4月に新設すると発表した。国内の社員約7万人が対象となる。介護や育児と仕事を両立できるよう支援メニューを拡充し、離職者を食い止める狙いだ。

介護では、融資制度のほか、休業した社員に半年間は賃金の70%相当を支払う。これまでの40%から増やした。年間9万円を上限に介護費用の半額を補助する。

少子高齢化により、労働力も減少してきています。そうした環境において、採用コストが、年々上がっています。高いコストをかけて採用して、じっくり教育してきた従業員が、介護を理由に退職してしまうことは大問題なのです。

こうした背景を受けて、日本の一流企業は、介護支援制度の拡充を急いでいます。これだけ多くのニュースが出てきているところで、介護に対してなんの対策も打てていない企業は、職務怠慢と言われても仕方がないと思います。これは、人材をめぐる、企業間の生存競争なのですから。

自社の介護支援制度を再確認しましょう

もはや、しっかりとした介護支援制度を整備することは、日本の企業の常識になってきています。まずは、自社の介護支援制度がどの程度整備されているのかを確認することからはじめてください。以下、立場の異なる3つの視点から、もう少しだけ具体的に考えてみます。

視点1. 仕事と介護の両立を進めている従業員の場合

まず、介護離職を避けるための5つのポイントについて理解を深めてください。その上で、現在、親の介護をしている人は、いまいちど自社の介護支援制度を確認しましょう。以前のものよりも、内容が改善されている可能性もあります。また、そうした介護支援制度が整備されていなければ、人事部に対して、いつごろ、どのような計画で支援制度ができるのかも追求する必要があります。同時に、組合経由でも、介護支援制度の設置を経営陣に依頼することも検討してください。たとえば日立製作所の事例では、組合が動いた結果として、介護支援制度の充実に成功しています。

視点2. 介護支援制度を担当している人事部員の場合

まず、企業に求められる介護支援(窓口)のあり方について理解を深めてください。その上で、特に競合他社が、どのような介護支援制度を打ち出しているか調査しましょう。競合に負けているとするなら、それは人事部の責任でもあります。また、競合との競争という枠を超えて、社内における介護支援制度に関する認知や、介護知識のレベルなどをしっかりと確認しましょう。ありがちなのは、人事部員が色々と介護の勉強はしていても、それを具体的な施策や制度として形にできていないケースです。そうした状態にあるのは、予算の確保に失敗しているからです。他社が、従業員の介護支援にどれくらいの予算を積んでいるのか、確認してみてください。

視点3. 企業の経営者の場合

まず、仕事と介護の両立がしやすい離職の特徴についての理解を深めてください。その上で、自社が、しっかりとした介護支援制度を築けているか、確認しましょう。ここに全く手がついていなければ、明らかに内政に問題があります。その問題を解決しないと、これから、恐ろしい勢いで介護離職が発生してしまう可能性があります。しかも、ここで退職するのは、ベテランや管理職といった会社にとって特に重要な人々です。このリスクの存在をわかっていながら、なんら対策が打てない場合は、後に、株主から経営者としての能力が疑われることになります。

※参考文献
・産経新聞, 『親の介護に300万円融資 パナソニック、4月から』, 2016年3月18日

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