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SNSの活用が難しい高齢者のための技術開発(事例紹介)

SNSの活用が難しい高齢者のための技術開発

SNSが活用できれば、高齢者のQOLが向上することはわかっているけど・・・

FacebookやTwitterといったSNSを活用すれば、家族間でのコミュニケーションなどが活性化され、高齢者のQOLが向上する可能性は、多くのところで指摘されています。しかし、少なからぬ高齢者にとって、最新のITを使いこなすことは容易ではありません。実際に、20代のSNSの利用は91%に達しているのに対して、60代では14.3%にすぎないという報告もあります。

この問題の本質は、なにもITに限ったことではありません。本質的に、高齢者は新しいものへの適応が、若年層と比較しても上手くないというのは仕方のないことです。であれば、いかなる技術であっても、利用者が新たにその使い方を学んでくれるのを待つのではなくて、技術のほうから、利用者に近づいていくことが求められるわけです。

そうした中、高齢者に新たな負担をかけることなしに、自動でSNSに投稿するコンテンツを生成し、アップするという技術の開発が行われています(高濱, 2015年)。その内容を、少しだけ紹介したいと思います。

奈良先端科学技術大学院大学の取り組み

開発された技術は、3つのステップで、高齢者のSNS活用を助けます。それらは(1)GPSデータから滞在している場所を記録する(2)ウェアラブルカメラで継続的に写真を取得し、先の滞在場所と対応させて記録する(3)高齢者との音声対話によって、それぞれの場所に滞在した理由などを聞き出し、テキストとして記録する、というシンプルなものです。

GPSデータがあれば、それ自体が「見守り」になります。また、その高齢者の活動量の増減も把握することができるため、体調管理や病気の早期発見などにも役立つでしょう。さらに、家族や友人のSNSに送られてくる高齢者の活動に対して、家族や友人からのコメントが入れば、高齢者としても、SNSに投稿できるネタを探しにいくという、外出のインセンティブも発生します。

こうした技術は、まだテスト段階ですが、実用化が難しいようには思われません。一番難しいと思われるのは、正確な音声認識をしながらの、高齢者とのAIによる対話のところでしょうか。ただ、この分野の技術開発も進んでいるので、こうした技術の実用化まで、それほど長い時間は必要にならないでしょう。

究極的には、メガネ型デバイスのようなウェアラブルと、音声対応できるAIさえあれば、誰でもこうしたサービスが使えるようになります。未来まで待てないという気持ちになりますね。

※参考文献
・高濱康太郎, et al., 『高齢者のためのウェアラブルカメラと対話センシングによるブログ投稿支援システム』, 情報科学技術フォーラム講演論文集 14(3), 427-430, 2015-08-24
 

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