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Pepperくんが20台!!「暮らしのロボット共創プロジェクト」のキックオフイベントに参加してきた

Pepper

2015年8月27日、人間の暮らしにロボットがどう関わっていくのかを考える「暮らしのロボット共創プロジェクト」がキックオフとなりました。KAIGO LAB編集部も、このキックオフ会議に参加してきたので報告をします。

奥田浩美さん
奥田浩美さん(株式会社たからのやま代表)

このプロジェクトを主催するのは、株式会社たからのやまです。今回のキックオフ会議は、この株式会社たからのやま代表の奥田浩美さんのお話からスタートしました。奥田さんのご両親は、この鹿児島県肝付町の近隣で老々介護をされているとのことでした。

ITは、社会課題を解決するときのカギとなるものです。その視点から、地域の高齢化と、そこで必然的に発生する介護問題について、ITがどのようなアプローチをするべきなのでしょうか。

今、ベンチャーの世界では、介護に関連するテクノロジーがどんどん生まれてきています。有名なところでは、排泄の尊厳を守るための排泄時期を予測するデバイスや、聴覚障害を持つかたのサポートをするデバイスなどが挙げられます。そうした中、やはりロボット開発への期待は特別に高いものです。

奥田さんの後に発表を行ったのは、株式会社ハイレグタワーでプロデューサーであるウエムラタカシ氏(というロボットを運用する中の人)です。株式会社ハイレグタワーは、様々な演劇をしかける会社で、ロボットを俳優として配置するといった先端的なことを行っているそうです。

介護という文脈では、高齢者施設(デイサービス)に入り込み、レクリエーションをロボットにさせるといった実験をしています。実際にロボットを使って高齢者にアプローチしているという視点から、実際にロボットのデモンストレーションが行われました。

ウエムラタカシ氏
ウエムラタカシ氏(の中の人)

ロボットの機能的に追いつかないところは、台本を用意しておいて、それで機械的な限界を超えるというあたり、とても勉強になりました。台本という視点で、演劇と結びつくのですね。

そうなると、ロボットに搭載できる高度な人工知能の開発を待つのではなく、高齢者とロボットの間に、どのようなコミュニケーションがなされるべきかを考えるというところに、創造性を発揮する領域が生まれます。

ロボットは、まだ発展途上の技術です。ですので、設計者が想定したとおりに上手に動かないというケースがあります。そうした課題も「ロボットには介護が必要」というコミュニケーションによって大目にみてもらえるのはもちろん、ロボットへの親近感が増すそうです。ロボットが、自分よりも下位の存在であるという認知は、もしかしたら、根源的に重要な点なのかもしれません。

将来、機能的に完璧に近い状態のロボットが完成したとしても、そこには「親しみやすさ」というものが必ず必要になるのでしょう。また、ロボットに助けられるばかりではなく、ロボットの存在を通して、介護が必要な自分であっても、なにか社会の役に立てるようになることが重要なのだと感じました。

スカイプで接続された、鹿児島県肝付町の介護施設の人々からは、実際に、不完全なロボットを施設に持ち込んだときの様子が伝えられました。おどろくべきことに、歩けなかった高齢者の方が歩いたりといった嬉しい事件が起こったりもしたそうです。

介護施設の人々
鹿児島県肝付町の介護施設の人々(スカイプ接続)

また、物忘れの多い認知症の方も、このロボットのことだけはよく覚えていたりといったことも発生したそうです。特に「ロボットには、介護における力仕事を担う存在のような、ありがちな期待もあるけれど、それ以上に、人と人をつなぐ存在であることを期待する」という発言が印象的でした。

こうしたインプットがあった上で、参会者の間では、アイディア出しが行われました。アイディアは、即席で評価され、鹿児島県肝付町の介護施設の方々に報告されました。逆に、介護施設の方々からもアイディアが出されました。

アイディア出し
アイディア出しの様子

必要なものを考えて、そこから考えて製品を作るという流れも重要でしょう。しかし、不完全なものであっても、それを現場に持ち込んでみて、そこでの反応からフィードバックとアイディアを得ながら、本当に求められるものを開発するという流れもまた非常に大切なのです。

このプロジェクトには「Pepperを使い、お年寄りやその周りの人々を幸せにさせる10分以内のプログラムを作り、その有効性を検証する」というテーマが与えられています。このテーマ完了に向けて、今年の10月末には、鹿児島県肝付町にて実証実験が行われます。そして11月上旬には、その検証の様子が上映される予定です。さらに11月下旬には、プロジェクトの結果がパリにて発表される予定になっています。
 

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