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介護ロボットは、本当に現場の支援ができるのか?

介護ロボットは、本当に現場の支援ができるのか?

介護ロボットという言葉が連想させるもの

介護ロボットという言葉は、どうしても、人型のロボットが、人間のかわりに食事、排泄や入浴の介助を行っているというイメージを連想させてしまいます。しかし実際の介護ロボットは、要介護者よりもむしろ、介護をする側の人間を支援することが多いものです。

その意味からは、介護ロボットではなく、介護センサーという名前でよんだほうが実態に近いと思います。そうした介護ロボットが目指しているのは、要介護者のQOL向上ももちろんなのですが、本丸は、介護の負担を軽減するということだったりします。

具体的に、どのような方法で、介護の負担が減らされているのでしょう。排泄センサーを開発している株式会社abaの事例「Helppad」の動画をみていただけたら、介護ロボットのイメージがかわるかもしれません(KAIGO LABの運営会社も投資しています)。以下、その動画になります。

介護ロボット導入に積極的な横浜市

横浜市は、様々な面で、介護への取り組みが進んでいることで知られています。そんな横浜市は、当然、介護ロボットについても正しいイメージを持っており、その現場への導入についても積極的です。以下、産経新聞の記事(2018年11月20日)より、一部引用します。

横浜市は介護職員として新規に高齢者を3人以上雇用すれば、介護ロボットの購入費用を補助する事業を新たに開始した。ロボットの普及が加速すれば“一石二鳥”となる。しかし、行政の狙いとは裏腹に、介護現場ではロボットに対する懸念も根強い。(中略)

ある市職員は介護ロボットについて「センサーはお手軽に導入できるかもしれないが、複雑な介護業務支援などのロボットは浸透しづらい。ロボットを導入したが使いこなせずに断念する施設もある。導入後は施設任せの部分も否めない」と話す。(後略)

この記事にもあるとおり、こうした新技術の現場への導入には困難がともないます。要介護者はそれぞれに多様であり、ひとつの介護ロボットの導入によってその「全員」が支援されるということも、ほとんどありません。使いこなすためのトレーニングも必要になり、それについていけない人も出てきます。

それでもこの流れは止まらない

ただ、いかに技術の浸透に困難があるとしても、介護ロボットの介護現場への導入は止まりません。深刻な人手不足と、増え続ける要介護者の組み合わせには、介護ロボットによる生産性の向上以外に、解決策がないからです。

介護現場で働く介護のプロたちの間では、介護ロボットに対して「使えない」という意見のほうが、むしろ主流のように感じられます。ただこれも、後に普及することになる新しい技術の登場にとっては、当たり前の通過点だったりします。

ルンバを思い出してください。掃除ロボットとして登場した直後は「使えない」という意見が大多数だったと記憶しています。しかし今では、ルンバに代表される掃除ロボットを持っている家庭も増え、持っていない人も「いつかは、ああしたロボットを使うのだろう」という予感があるはずです。

パソコンの浸透、インターネットの浸透、掃除ロボットの浸透には、どれも時間がかかりました。これらと同じように、介護ロボットの浸透にも、時間がかかります。時間はかかりますが、いずれそれがなくてはならないものに変わることも確実です。

※参考文献
・産経新聞, 『介護ロボット活用へ期待と懸念 横浜市が導入後押しで補助金開始』,2018年11月20日

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