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イケアの高齢者シフト、本国の次に日本で開始?

イケアの高齢者シフト、本国の次に日本で開始?

大手家具メーカーによる介護業界への参入

イケアは、スウェーデンの家具販売大手として、世界的に事業を展開している巨大な企業です。昨今、その不調が報道されていますが、まだまだ潜在的な体力を備えている、影響力の大きな企業であることは変わりません。

そんなイケアが、高齢者向けの商品を充実させる方向に動きつつあるようです。あのイケアが動けば、その影響力は計り知れないと感じます。以下、日本経済新聞の記事(2018年4月24日)より、一部引用します。

家具大手のイケア・ジャパン(千葉県船橋市)は24日、高齢者らが使いやすい雑貨を売り出すと発表した。スウェーデンで2017年から展開しており、日本でも18年から、腰当てクッション(1999円)など一部商品を販売。今後、品ぞろえを増やすという。

新シリーズ「オムテンクサム」は人間工学の専門家や介護業界の研究者と連携して開発した雑貨。高齢者らの使いやすさとデザイン性の両立を図っている。24日、都内で開いた発表会で同社のクリエイティブリーダーのブリット・モンティ氏は「高齢化が世界中で進むなかで、全ての人に使いやすい商品をめざした」と開発の背景を説明した。(後略)

変化は業界の外(辺境)からやってくる

大きな変化は、多くの場合、業界の外からやってきます。介護機器メーカーとして頑張ってきた会社は、今回のイケアのような動きは特に警戒する必要があります。介護のイメージが付いているメーカーよりも、イケアのようにそのイメージのないところが高齢者にシフトしたほうが、市場のイメージもよいと考えられるからです。

そのときに注意したいのは、業界の外からやってくる企業は「介護」という言葉は使わないケースが多いことです。一般には、どこからが介護なのかという点について誤解が多く、言葉としての「介護」には、寝たきりのようなイメージがついてしまっています。そのイメージに乗ると、市場はずっと狭くなってしまうのです。

難しいところなのですが、要介護認定を申請すれば、要支援〜要介護2くらいの判定になるであろう高齢者であっても、本人も含めて周囲もそのように理解していないことも多いのです。企業としては、顧客の心理をとらえる必要があるため、そこを狙ってきます。

本当は、早期対応が必要なのだけれど・・・

恐ろしいのは、こうした企業のイメージ戦略によって、本当は、福祉用具が必要にも関わらず、それに手を出さない高齢者が増えてしまうことです。要介護認定を受けて、福祉用具専門相談員(介護用品のプロ)に相談しながら機器を選んだほうが、日常生活はずっと快適になる可能性もあります。

「ちょっと危ないかな?」と思ったら、いちどは、地域包括支援センターを訪れてみるべきなのです。そこで介護の専門職に話を聞いてもらえたら、要介護認定を受けるべきかどうかがすぐにわかります。

今回のニュースにあるように、高齢者向けの商品に関心を持つのも大事ですが、そもそも要介護状態なのではないかを疑うことも忘れないでください。介護の鉄則は、早期対応です。できるだけ早めに介護の専門職が関わることで、より快適な日常生活の維持が可能になるからです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『イケア、高齢者向け雑貨 靴べらやグラス』, 2018年4月24日

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