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福祉用具専門相談員(介護用品のプロ)に相談してみよう!

福祉用具専門相談員

色々な福祉用具(介護用品)がある

福祉用具の定義は「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の地上生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう」というものです。

要介護者が、少しでも自分で自分のことがやれるようになるための便利な福祉用具があります。こうした福祉用具はまた、介護者(家族)の介護負担も減らしてくれたりもします。こうした福祉用具は、レンタルが基本ですが、多くのメーカーが販売もしています。

代表的な福祉用具としては、車椅子、介護ベッド、床ずれ防止用具、体位変換器、歩行器、杖、リフト、排泄処理装置、入浴補助用具、浴槽などがあります。代表的なものだけでも、正直、ここで取り上げきれないほどにたくさんのものが存在しています。

そもそも、要介護者の心身の状態は、時間とともに変化するものです。ですから、このような福祉用具は、そうした状況の変化に適切に対応できるように、貸付が原則となっています。ただし、入浴などに関する器具は、貸付には馴染まないため、販売の対象になるものもあります。

今後も、IT化の流れの中で、もっと便利な福祉器具が出てくることは間違いありません。最終的には、様々なことを代理できる高度な介護ロボットが実用化され、介護のありかたそのものも変化するでしょう。

福祉用具専門相談員(介護用品のプロ)に聞いてみよう!

こうした福祉用具の存在は、とてもありがたいものでしょう。しかし、せっかく導入した福祉用具が活用されていなかったり、使い方が間違っていて効果が出ていないということは、非常によくあることです。

数多く存在する福祉器具を全て把握し、それを適切に使うのは、実はとても難しいことです。そこで検討したいのが、このような福祉用具のプロである、福祉用具専門相談員に相談してみるということです。

福祉用具専門相談員とは、福祉用具の専門的な知識を持っていて、要介護者や介護者(家族)による福祉用具の選定に対して、アドバイスをする専門家のことです。福祉用具の事業者には、事業所ごとに最低2名の福祉用具相談員を配置することになっています。

この福祉用具専門相談員の資格を得るためには、これまでは、厚生労働大臣が指定する講習会(40時間)に出席するだけで取得可能でした。しかし、2015年4月からは、講習会が10時間増加(50時間)され、また、講習会の後に筆記試験(修了評価試験)が必要になりました。現在の講習会のカリキュラムは、以下のようなものです。

(1)福祉用具と福祉用具専門相談員の役割(2時間)
(2)介護保険制度等に関する基礎知識(4時間)
(3)高齢者と介護・医療に関する基礎知識(16時間)
(4)個別の福祉用具に関する知識・技術(16時間)
(5)福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する(7時間)
(6)福祉用具の利用の支援に関する総合演習(5時間)

福祉用具専門相談員の資格の難易度が上がっているのは、福祉用具の重要性が増しており、それに関する知識も高度化してきていることが背景なのでしょう。とにかく一度は、福祉用具専門相談員に、現在の福祉用具の利用状況を評価してもらうことが大事です。

福祉用具を活用するときの視点について

まずは、福祉用具専門相談員に話を聞いてみることが大事です。同時に、福祉用具の進歩は日進月歩ですので、福祉用具専門相談員といえども、最新の福祉用具についての知識にはバラツキもあります。

何事もそうですが、専門家に丸投げするという態度では、求める結果が得られないことはよくあります。そこで、私たちとしても、自分でも福祉用具について勉強をしていく必要あります。こうした前提に立ったとき、福祉用具の評価において、以下の4つのポイントについて理解しておくとよいでしょう。

1. 生活上の問題点を明らかにすること

要介護者の普段の生活において、どういう問題があるのかを明確にしておく必要があります。福祉用具は、こうした問題を解決したり、その一部を軽減したりすることに役立つものです。逆にいえば、いかに優れた福祉用具でも、明らかになっていない問題を解決することはできません。一般に、もっとも大きな介護負担とされるのは、入浴と排泄に関するところです。少なくともこの周辺における問題については、しっかりと把握しておきたいです。

2. 要介護者とのマッチングについて

車椅子のサイズや介護ベッドの高さなど、要介護者の身体の状況に応じて、適切なマッチングがなされていないと、福祉用具の効果が得られないどこrか、逆効果になることもあります。特に注意したいのは、一時的には良いマッチングになっていた福祉用具も、要介護者の状態の変化によって、マッチングが失われることもあるということです。ここで忘れられがちなのは、要介護者の好み(価値観)とのマッチングです。福祉用具は毎日使うものですから、その色や形も、大事な選定ポイントになります。

3. 介護者(家族)とのマッチングについて

たとえば車椅子のグリップの高さが、車椅子を押す人にとって適切な高さになっているか、といったことも評価する必要があります。介護は長期戦になることが普通です。長期にわたる介護において、福祉用具が介護者(家族)にとって使いやすいものかどうかは、とても大事な視点です。特に、介護者(家族)の問題として、介護動作による腰痛は深刻なものです。福祉用具は、介護者(家族)の腰痛に配慮した設計になっていないとなりません。

4. 介護環境とのマッチングについて

要介護者にとっても、介護者(家族)にとっても、いかに最高のマッチングとなっている車椅子でも、住んでいる家の廊下を通れないようであれば、意味がありません。日常生活のある介護環境において、その福祉用具がマッチングしているかどうかも大切なポイントです。住環境のほうに問題があった場合は、バリアフリー化などを見直すことで、住環境を福祉用具に合わせて変化させることも検討します。

※参考文献
・全国福祉用具専門相談員協会, 『福祉用具専門相談員の質の向上に向けた調査研究事業報告書』, 平成25年度老人保健事業推進費等補助金
・黒澤貞夫, et al., 『介護職員初任者研修テキスト』, 中央法規(2013年)

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