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夏バテで食欲がない?それ、病気が原因かもしれません。高齢者の食欲不振について、知っておきたいこと。

高齢者の食欲不振について

夏に食欲不振になる原因は?

夏になると、食欲が落ちるという経験をしたことのある人は多いでしょう。夏バテの原因としては、大きく(1)暑さによって自律神経が乱れることによる不調(2)冷たいものを飲み食いしすぎることによる胃腸の機能が低下(3)水分の補給不足、の3つが知られています。

これから夏に向けて、夏バテにやられてしまう人も増えていくでしょう。しかし、食欲不振になる原因としては、夏バテだけでなく、加齢による影響もありえます。さらに、それがなんらかの病気を原因としている可能性もあるのです。

自分自身はもちろん、要介護者を含めた家族の誰かが食欲不振になったとき、それを単なる夏バテだと簡単に片付けないでください。今回は、高齢者の食欲について、もう少し詳しく考えてみたいと思います。

食欲への加齢の影響について

若いころは、食欲旺盛だった人も、高齢者になってくると、そうもいきません。「昔は、もっと食べられたのに」というのは、高齢者でなくても、中年にもなれば経験することでしょう。このように、食が細くなることの原因として考えられるのが加齢による影響です。

加齢にともない、食べ物を噛む力がおとろえておきます。そのための筋肉が少なくなり、噛んでいる時間も長くなります。くちびるを動かす筋肉も減っていくため、口を閉じることも困難になり、食べこぼしも増えます。また、歯の本数も減ることの影響も小さくありません。こうしたことから、食べることそのものが面倒になるのです。

また、味覚が衰える影響も無視できません。美味しく感じられなくなれば、食欲が減退するのも仕方のないことでしょう。そして、意外と忘れられがちなのが、味覚と同じように加齢によって低下する視覚、嗅覚、聴覚などの、食欲への影響です。

食欲を刺激するのは、美味しそうに見える色や盛り付け、美味しそうな香りがすること、調理をするジュージューという音といったことでしょう。これらも、視覚、嗅覚、聴覚が衰えると、食欲も減退してしまうのです。

こうした、加齢によって食欲不振になること自体は、ある意味で自然なことです。しかし、食欲不振は、加齢による影響だけでなく、なんらかの病気が原因である可能性もあるのです。高齢者が食欲不振になることが当たり前のことだけに、それをなんらかの病気のサインとしてとらえるのは、難しいことだったりもします。

食欲不振の原因になる主な病気

実は、食欲不振を生み出してしまう病気というのは、たくさんあります。まずは、参考文献(黒澤ほか、2013年)から「食欲不振の原因になる主な疾患」のリストを、以下に引用します(一部、KAIGO LAB にて修正しています)。

(1)がん、十二指腸潰瘍、肝硬変、便秘などの消化器症状
(2)うっ血性心不全などの循環器系疾患
(3)アジソン病、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患
(4)重症の気管支喘息などの呼吸器系疾患
(5)悪性リンパ腫などの血液・免疫系疾患
(6)腎不全などの泌尿器系疾患
(7)認知症、うつ病、心身症などの精神神経系疾患
(8)亜鉛欠乏症、アルコール依存症、薬の副作用など

医療の素人の場合は「ほとんど全ての病気が食欲不振につながる」と考えておくほうばよいということです。なんらかの病気によって気力、体力が落ちると、食欲も落ちるということなのでしょう。

※参考文献
・黒澤貞夫, et al., 『介護職員初任者研修テキスト』, 中央法規(2013年)

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