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遠距離介護の可否を決める、介護のプロたちとの連携;5つのポイント

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遠距離介護を実現するのは介護のプロたちとの連携

要介護者のいるところから離れて暮らしながら介護をすることを、特に「遠距離介護」と言います。非常に難しいことではありますが、介護のプロたちとの効率的なコミュニケーションを意識すれば、遠距離でも介護が可能になることがあります。

遠距離介護における、介護のプロたちとのコミュニケーションのポイントを『現役世代のための介護手帳』(おちとよこ著、平凡社)の記述(p139)を参考に、以下5つにまとめてみました。

なお、これらのポイントは、遠距離介護に限らず、比較的近くに住んでいても要介護者と同居をしていない介護者にとっても有効なものです。介護の負担を少しでも減らすために、参考にしていただきたいです。

1. 意思決定者(キーパーソン)を伝えておく

介護には家族が関わります。その中で、誰が最終的な判断ができるのか、それを1人にしておく(キーパーソンを決めておく)ことが大事です。そうしないと、遠距離にありながら、介護のプロたちが、複数の人の意思を確認しなければならなくなり、現実的ではないからです。

このとき、キーパーソンは、自分が最終的な意思決定をするということを、家族はもちろん、介護のプロたちとも共有します。介護のプロとの共有においては、現場担当者だけでなく、管理者にもしっかり共有しておくことが大事です。現場担当者の変更もありえるからです。

2. キーパーソンの連絡先(24時間対応)を伝えておく

ケアマネだけでなく、ご近所や主治医、看護師やヘルパーにも、いざという時の自分(キーパーソン)の連絡先を伝えておく必要があります。特にケアマネやヘルパーとは、電話やメールで普段から連絡をとっておくことが大事になります。

突然の対応があったときは、メールではなく、電話で感謝を伝えることを忘れないでください。過去に記事にしていますが、メールでの意思疎通には、感情が伝わりにくいという弱点があるからです。

3. サービス担当者会議には必ず出席する

サービス担当者会議とは、ケアプラン作成のための話し合いのことです。この会議に出席するのは、介護サービス利用者である要介護者(出席できれば)、意思決定者(キーパーソン)、そして要介護者の介護を担当する介護サービスのプロたち(ケアマネ、ヘルパー、看護師など)です。

このサービス担当者会議は、ケアマネが司会進行を行うのが一般的です。また、介護サービス業者からの出席者としては、管理的な立場にある人が多いのも特徴です。彼らは決定権を持っているので、話が早いという利点もあります。

しかし同時に、彼らは要介護者の介護現場にいるわけではないので、そこが問題になるときには、ケアマネに連絡して現場の担当者の出席もお願いしておいたほうがよいです。サービス担当者会議は、ケアプラン作成による課題解決のみならず、情報共有も大事な目的だからです。

休日または休暇をとって出席することになるわけですが、このとき、少なくとも最後の1日は平日に休みを入れておくとよいようです。その理由は、サービス担当者会議の後には、休日にはあいていない役所などに行く必要が出てくるからです。

サービス担当者会議への出席に限らず、普段お世話になっている介護のプロに直接会うときは、菓子折りを持っていくことを忘れずに。受け取ってもらえないケースもありますが(1)みんなで分けられる(2)日持ちのする(3)高すぎない菓子折りは、喜ばれます。

4. 緊急時のサービス変更に後から文句を言わない

想定していない支出がある場合、いくらまでなら良いかを伝えておかなければなりません。これによって、要介護者の突然の容態変化などがあった場合、ケアマネやヘルパーが現場判断でどこまで介護サービスの変更ができるのかが決まるからです。

このとき、緊急で利用するサービスの中には、介護保険でカバーできないものもあることを覚悟しておく必要があります。それも踏まえて「一月いくらまで」という裁量権を、ケアマネなり、ヘルパーに与えておくことが大事です。

5. お金の管理者を決める

「取った」「取らない」の水掛け論は、特に認知症が進みつつある要介護者がはじめてしまうことが多いものです。こうしたことにならないように、通帳や印鑑、有価証券や権利証といった重要なものは、可能であれば自分(キーパーソン)が行ったほうがよいです。

遠距離介護を成立させる、いちばん本質的なこと

遠距離介護を成立させるのは、自分(キーパーソン)が主導して、介護のプロたちとの長期的な信頼関係を築いていくことです。ここでの信頼関係は、ひとえに、自分から介護のプロたちとの良好なコミュニケーションにかかっています。

KAIGO LABでは、何度も記事にしてきていますが、介護業界の報酬は、決して満足なレベルにはありません。介護業界にある介護のプロたちは、それでも善意と高い倫理観を持って、大変な介護の仕事を担ってくれています。

そうした事実を理解しつつ、継続的に介護のプロたちに心からの「感謝」と「敬意」を示していくことが、介護の負担を変えて行きます。介護のプロたちとの連携がうまく回りはじめると、当たり前のことなのですが、私たち一人一人は多くの人に支えられて生きていることが実感されます。
 

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