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「昔はいい時代だった」というときの「昔」とは?(しらべぇ調査結果を受けて)

昔はいい時代だった

「昔はいい時代だった」というときの「昔」とは?

「しらべぇ」というサイトを運営するサイトの編集部が、ユニークな調査を行っています。その調査とは「昔はいい時代だった」というときの「昔」とは、いったいいつの時代のことかについて、です(サンプル数903名)。

この調査結果として注目したいのは、60代以上の約7割が「昔はよかった」と感じており、また、そのうちの約8割が30年以上前のことを思い出しているということです。「よかった昔」として思い出すのは、20〜30代の頃のことになります。

この調査結果は、介護という文脈では「回想法」への応用が考えられます。「昔はよかった」と感じている、その「昔」について話を聞くことは、高齢者にとっても、話しやすくて楽しいことだと考えられるからです。

カウンセリング手法の「回想法」とは?

「回想法」とは、高齢者が過去を懐かしく振り返る傾向があることに注目したカウンセリング手法です。この手法が生み出されるまでは「昔はよかった」というのは、現実逃避として否定的に考えられていたのです。

この「回想法」の効果として知られているのは(1)認知症の予防(2)自尊心の向上(3)情緒の安定、といったことになります。こうしたポジティブな効果は、高齢者が日々元気に活動していくことにつながります。

元気な活動はまた、要介護状態になる危険性(フレイル)を下げてくれます。すでに要介護状態にあったとしても、それ以上、状態が悪化させない効果が期待できるのです。

「回想法」についてより詳しくは、過去に『高齢者が元気になるバトラー博士の回想法;背景と話題例』でも取り上げていますので、そちらも参照してみてください。

しらべぇ調査結果の「回想法」への応用

「回想法」で難しいのは、そもそも多くのことを忘れてしまっている高齢者から、どのように話題を引き出すかという点です。このための話題例集があるほど、介護の現場では悩ましいことだったりします。

高齢者の多くは、自分が20〜30代の頃を「昔はよかった」と感じているという調査結果は、介護の現場で「回想法」を用いている人にとって、大きなヒントになります。以下、簡単に、このヒントを活かすためのステップをまとめてみます。

1. 対象となる高齢者が20〜30代の頃の西暦を特定する
2. その西暦を検索して調べる(wikipediaなど)
3. そこからポジティブな話題をみつけ調査をし、関連する写真なども入手する
4. 写真を見せながら、その話題について覚えているかを質問する
5. その話題に対する、当時の自分の感情を思い出してもらう

もちろん、高齢者にも個人差があり、20〜30代の頃ではなくて、別の時代について「昔はよかった」と感じている人もいるでしょう。こうしたところは、当然、個別に考えていく必要があります。

しかしその場合でも、その特定の高齢者が懐かしく感じている年代を特定するというアクションは有効です。そこから、先のステップをたどれば、話題づくりに役立つはずです。ぜひ、試してみてください。

※参考文献
・しらべぇ, 『「昔はいい時代」っていつの頃?調査により「昔」が判明!』, 2016年2月27日

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