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介護経験がなくても、介護の準備をしている人が4割以上いる(ニュースを考える)

介護の準備

まだ介護がはじまっていなくても家族で話し合っている人

介護というのは、どうしても、それがはじまってからしか、真剣に考えることができないものです。それが原因で、いざ介護がはじまるとパニックになり、必要のないものを買ってしまったり、おかしな対応をしてしまったりと、介護初期の失敗にもつながってしまいます。

そうした中、日本能率協会が、まだ介護に関係のないビジネスパーソンに対する調査を行いました。以下、日経新聞の記事(2016年3月5日)より、一部引用します(太字は KAIGO LAB)。

仕事を持ち介護経験がない人のうち、家族の介護が必要になったときに誰が主な担い手になるのか「分からない」と思っている人が58.8%に上ったことが5日までに日本能率協会の調査で分かった。

同協会は「介護に直面しなければ実感が湧きにくい。いざというときに困らぬように日頃から家族と話し合い、職場の支援制度を知るなど事前の準備が重要だ」としている。(中略)

介護経験のない人に親などの家族を介護する際に想定する主な担い手を聞くと、「分からない」が最多だった。「自分が介護する」が15.9%、「介護施設・サービス」が12.9%、「自分以外の家族」が12.4%と続いた。

この報道は、58.8%が「分からない」という点を問題視するものです。しかし、介護業界の目線からすると、むしろ残りの41.2%の人は、まだ介護がはじまっていないにも関わらず、なんらかの準備をはじめているという点のほうが嬉しい驚きです。

4割以上の日本のビジネスパーソンは、しっかりと介護について考え始めているということです。それだけ、社会的に、介護への関心が高まってきているということでしょう。この流れを利用して、介護業界は、介護についての啓蒙活動を強化していくのが大事です。

介護離職を防止するためにも、企業も動き始めている

佐藤博樹氏(東京大学名誉教授)は、介護離職の防止施策として、企業による「事前の心構えや準備のための介護情報提供」を推奨しています。介護は、介護に関する知識のあるなしによって、負担の大きさが変わってくるからです。

佐藤氏は、特に、本人40歳時点(介護保険加入時)、本人50歳時点(介護に関係する可能性が最大になった時点)、親65歳時点(介護保険被保険者証が届く年齢)の3つの節目での教育・研修が大事としています。

こうした提言を受けて、大手企業は、介護教育を開始しています。実際に、KAIGO LAB にも、企業からの研修・講演の依頼があります。今回の調査結果は、このような動きが、今現在は、約4割くらいまでは成果につながっているということだと思われます。

もちろん、それでもまだ、58.8%のビジネスパーソンは、介護について準備をはじめていないということは問題です。これからも、さらに介護に関する情報提供を強化していく必要があります。

※参考文献
・日本経済新聞, 『仕事持つ人、家族介護の担い手「分からぬ」58% 民間調べ』, 2016年3月5日
・佐藤博樹, 『社員の仕事と介護の両立をどのように支援すべきか 社員が自分一人で介護を抱え込まないために』, 内閣府資料2-1(2012年6月)

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