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高齢者に発達障害が疑われるケースもある(ライチャード5分類との対比)

高齢者の発達障害

発達障害とはなにか

発達障害とは、主に(1)自閉症(2)アスペルガー症候群(3)学習障害:LD(4)注意欠陥多動性障害:AD/HD、に代表される脳機能障害です。世界には、発達障害の人が10%くらいはいるという意見もあり、決して珍しい障害ではありません。

発達障害を持っている人として有名なところでは、ジョン・F・ケネディ、スティーブ・ジョブズ、アインシュタイン、ウィル・スミス、ブリトニー・スピアーズ、トム・クルーズ、オーランド・ブルーム、ウオルト・ディズニー、スティーブン・スピルバーグなどが、発達障害を自ら告白していたり、発達障害であると考えられています。

こうして有名人のケースを見てみると感じられるとおり、発達障害というのは、なんらかの才能と引き換えに発生している可能性も指摘されています。人類の進歩に貢献するような人物というのは、どこか発達障害的なのかもしれません。とはいえ、当事者にとっての発達障害は、生涯、悩まされ続ける非常に大変なことです。

要介護者が苦しんでいるのは発達障害かもしれない

要介護者の性格だと思ってきたことも、実は、発達障害が原因かもしれません。その場合は、主治医に相談しつつ、薬を処方してもらう必要もでてきます。また、各都道府県に設置されている「発達障害者支援センター」に相談することも検討しないとならないでしょう。

以下、具体的な事例をベースにしながら、もう少し詳しく考えてみます。あくまでも参考であり、ここの記述に当てはまるからといって、必ずしも発達障害というわけではないことには注意してください。

1. 自閉症が疑われるケース

コミュニケーション、対人関係が苦手です。相手の意図を理解したり、自分の気持ちを上手に表現できないこともあります。想定外の出来事があったり、なんらかの予定が変更されたり、初めての場所に行ったりすることに対して、大きな不安を感じることがあります。これを周囲が無理に推し進めようとすると、大声をあげたり、暴れたりしてしまいます。ですが、馴染みのあるところで、予定どおりいつものことをこなす場合は、しっかりと集中して取り組めることも多いようです。

2. アスペルガー症候群が疑われるケース

コミュニケーション、対人関係が苦手です。同時に、非常に知的な人に多い発達障害でもあります。数学や音楽の才能を発揮する人もいます。高い専門性を持っていて、大学の教授になっているケースもあります。子供のころは「他人の気持ちがわからない」「自分勝手でわがまま」と考えられてしまうことも多いようです。人間関係の中では、周囲に合わせるということが苦手で、浮いてしまう傾向もあります。大人になっていても、自分がアスペルガー症候群であるという自覚がないこともあります。

3. 学習障害が疑われるケース

知能に障害はありません。ただ「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった能力のどれかが、全体的な知的発達に比べて極端に苦手なことが多いようです。子供のころは、こうしたことが「努力不足」と考えられてしまうこともあります。ボイスレコーダーなどを用いることで、苦手なことを克服するケースもあります。知的には問題ないので、周囲の理解を得られにくいことも多いようです。

4. 注意欠陥多動性障害が疑われるケース

注意が散漫で、じっとしていることが苦手で、衝動的に行動してしまいます。大事な予定を忘れてしまったり、大事な物をなくしてしまうこともあります。こうしたことには、なんらかのルールを設定したり、メモを使ったりすることで対応できるケースもあります。ポジティブな面としては、周囲を非常によく観察していて、誰も気づいていないようなことに気づくことができます。また、気配りなども得意です。

ライチャードの高齢者タイプ分け(5分類)との対比

高齢者のタイプを5つに分けた「ライチャードの5分類」というものがあります。この中で、特に対応が難しい「攻撃憤慨型(外罰型)」言われる2つのケースには、発達障害がある可能性もあります。

「攻撃憤慨型」に分類される高齢者の特徴は、老化そのものを受け入れることができず、不平・不満が多く、周囲に対して攻撃的にあたり散らすといったことが挙げられています。周囲とのトラブルも多く、こうした高齢者を介護するのは非常に大変です。

この場合、あくまでも可能性ですが、性格の問題ではなくて、発達障害かもしれないと疑ってみる必要があります。発達障害であれば、薬を処方してもらうことで、対応が(少しは)楽になる部分もあります。

薬にはできること、できないことがありますが、落ちつかせたり、衝動性を減らしたり、攻撃的な態度を緩和させたり、不安感を減らすといったことは可能のようです。

※参考文献
・厚生労働省, 『発達障害の理解のために』, 2008年
・厚生労働省, 『発達障害児者支援とアセスメントに関するガイドライン』, 2013年
・神奈川県, 『発達障害のある人と支援者のために』, 2015年(改訂版)

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