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高齢者の「歩きスマホ」は危険・・・だけど良い効果もある?(ニュースを考える)

高齢者の「歩きスマホ」は危険

高齢者の歩きスマホは、若者の歩きスマホよりも危険

東京都(一部地域を除く)では、2010〜2014年の5年間で「歩きスマホ」による事故で救急搬送された人が152人となっています。人数としては(まだ)多いとは言えませんが、今後は増えていくことも懸念されています。

こうした中、東北大学が、高齢者の「歩きスマホ」は特に危険という研究結果を発表しました。もちろん、若者の「歩きスマホ」も危険でダメなことですが、高齢者のほうがもっと危険という意味です。

この研究を主導したのは、東北大学病院肢体不自由リハビリテーション科の竹内直行院内講師たちです。以下、このニュースを報道したマイナビニュースの記事(2016年2月10日)より引用します。

歩きながらスマートフォンを操作する「歩きスマホ」は、高齢者の場合、操作と歩行に関係する脳が若い人のように働かないため特に危険であることを東北大学の研究グループが脳科学的に証明した。若い人でも「歩きスマホ」中の事故が多発しているが、高齢者はすぐにもやめた方がよさそうだ。(中略)

若い人の場合、左の前頭前野(左脳)の働きが活発になる人ほど、歩きながらでもスマートフォン操作をしっかりでき、右の前頭前野(右脳)が活発になる人ほど、操作をしながらでも歩行がよりしっかりしていた。しかし、高齢者は、前頭前野の働きが活発になっても、操作は上手にできず、歩行も危うくなる傾向にあった。

ここまでなら、直感でも「それは、そうだろうな」と感じます。今のところ、街で見かける「歩きスマホ」は、若者〜現役世代が中心のように思います。しかし、そうした現役世代も、これから高齢者になっていきますから、このニュースは記憶しておいたほうがよいでしょう。

このニュースは、ここで終わらなかった

このニュース記事が伝えているのは、高齢者の「歩きスマホ」は若者よりも危険という話だけではありません。すこし混乱するかもしれませんが、さらに同記事より引用してみます。

高齢者は非常に危険であることがはっきりした一方、「歩きスマホ」は歩行機能や認知機能に良い影響を与えるとされる「二重タスク」になるため、安全な環境下であればスマートフォン機能をリハビリテーションに応用できる可能性がある、という。

これは・・・難しいですね。歩く動作とスマホを操作する動作を同時に行う「歩きスマホ」は、リハビリに応用できるというのです。あくまでも安全な環境が準備されていることが前提ではありますが、リハビリの現場に変化が起こる可能性もあります。

たとえば歩行訓練のリハビリをしながら、同時にスマホを操作すれば、良い効果が期待できるかもしれません。ただひたすらに歩行に集中するリハビリではなく、スマホでニュースなどを見ながら歩くようなリハビリが提案されてくるかもしれません。

退屈なリハビリを、スマホゲームで楽しくしようとする動きもある

実は、退屈になりがちなリハビリを、スマホゲームで楽しくしようとする動きは、かなり以前からありました。脳卒中のリハビリなどは、長時間同じ動作を繰り返すような退屈な作業も含まれているそうです。

こうしたリハビリを、少しでも退屈なものにならないように、スマホゲームを活用するという話は、過去に何度かニュースになっています。日本でも、介護予防やリハビリ環境を改善するために「シリアスゲーム」という研究領域が出てきています。

ゲームを活用して楽しくリハビリできるという話に、今回の「歩きスマホ」を追加することで、可能性が広がるかもしれません。とはいえ場所を限定しないと「歩きスマホ」は危険なので、その点については十分な注意が必要です。

安全な環境において、歩く動作と連動するスマホゲームが出てくると、より楽しくて効果的なリハビリになるかもしれません。日本は、ゲーム先進国ですし、介護分野でのゲーム開発は、将来の輸出産業になる可能性もあります。

※参考文献
・東京消防庁, 『歩きスマホ等に係る事故に注意!!』
・マイナビニュース, 『高齢者の歩きスマホは特に危険 東北大が脳科学的に証明』, 2016年2月10日
・KOTAKU, 『退屈なリハビリを面白く! 人気スマートフォン用ゲーム『フルーツニンジャ』が病院で大活躍』, 2011年8月23日

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