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ボウリングが、高齢者のメンタルヘルスを良好に保つ秘訣?

ボウリング

適度な運動は、高齢者の身体能力のみならず、認知能力やメンタルヘルスにも影響する

多くの研究が、適度な運動の効果を報告しています。高齢者という文脈においても、適度な運動が、高齢者の身体を健康に保つだけでなく、認知能力を向上させたり、メンタルヘルスにも良い影響を与えるということがわかっています。

そして少しずつですが、どのような運動が、より高い効果を示すのかという研究も出てきています。そうした中で、ボウリングの効果が、特に高齢者のメンタルヘルス面においてかなり有益である可能性がわかってきました。

これまでにもボウリングについては(1)ストライクのストレス解消力が高いこと(2)ストライクでなかったとき残っているピンを狙う活動が認知能力を刺激すること(3)投球結果に対して自分の動作を修正することが認知能力を刺激すること、などが考えられてきました。

デイサービスのレクリエーションでも、実は、ボウリングは定番です。ただし、安全のために、ピンはペットボトルで代用して、重くないボールを使うことがほとんどではありますが、盛り上がるそうです。

ボウリングの「楽しさ」を振り返ってみる

ボウリングを1度もしたことがないという人は、少ないはずです。ボウリングの楽しさは色々と言われますが、整理してみると、だいたい以下のような内容が多くなると思います。確かに、高齢者に限らず、メンタルヘルスに良い影響を与えそうな気がしてきます。

・綺麗に並んでいるピンを飛び散らせる爽快感
・ピンが倒れるときの音の響きがクセになる
・飛び散ったピンを自動で並べてもらえる優越感
・フォームや投げ方について自分なりの攻略法を考える楽しみ
・単純な動作だからこそ、自分自身の身体性が深く意識できること
・たくさん倒した人が勝ちという単純さ
・何人でも楽しめるフレキシビリティー
・年齢、性別、体格差のハンデがほとんどないこと
・準備なしで、ただボウリング場に行けばよい手軽さ
・自分の最高得点を意識した記録更新の楽しみ
・他人のストライクも素直に喜べるポジティブな空気感
・順番待ちの時間に、他人との会話を楽しめるところ

こうした条件を考えてみると、ボウリングには、意外と似たスポーツがないことに気がつきます。特に、体力や運動神経のギャップがあっても誰かと一緒に楽しめるという点は、注目に値します。たとえば、親子孫の家族3世代で楽しむことも可能なわけです。

ボウリングについて、もう少し深く考えてみる

ボウリングの起源は、紀元前5,000年頃(古代エジプト)まではさかのぼることができています。倒されるターゲットとなるピンは、古くは「災い」や「悪魔」の象徴とされ、宗教儀式の一つだったと考えられています。ピンを倒してスカッとするのは、そもそも、そういうデザインが背景にあるからなのですね。

日本にボウリングが入ってきたのは1861年の長崎の外国人居留地でした。当時、長崎に居留していた外国人と交流があった日本人と言えば・・・坂本龍馬です(英国人貿易商グラバーなど)。そこで、証拠は全くないのですが、日本人ではじめてボウリングを楽しんだのは、坂本龍馬であるという意見もあります。

日本国内のボウリング場の数は、1972年の3,697カ所をピークとして年々減少してきています。1972年が人気のピークということから考えると、実は、現在の高齢者世代にこそ、ボウリングのファンが多いわけです。今の高齢者に「ボウリング行こうよ」というと、出不精な人でも、意外と乗ってくるかもしれないということです。

「若い頃のように早い玉が投げられない」という不安は、簡単に論破できます。実は、ボウリングにおいては、早い玉というのは逆によくないのです。早い玉は、ピンを上に跳ね上げてしまい、隣のピンの方向に倒れて行かないからです。むしろ、少し力の抜けた、やや遅めの、よく横回転のかかっている玉のほうが、ピンは倒れます。老若男女が楽しめる理由も、ここにあります。

なお、日本国内では、だいたい毎年どこかで「障害者親善ボウリング大会」が開催されているようです。予選から本選のある本格的なものも多く「上肢の部」「下肢の部」「体幹の部」「聴覚の部」「弱視の部」「全盲の部」「車椅子の部」といった種目も分けられ、それぞれにスコアを競っています。要介護者であっても、こうした大会にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。

久しぶりに、ボウリング、どうでしょう?

※参考文献
・石原暢, et al., 『中高齢者における異なる種目の運動習慣が遂行機能とメンタルヘルスに与える効果』, 日本本生理人類学会誌Vol.20(2015年)
・SportsClick, 『悩めるビギナーをスパッと診断』
・日本ボウリング場協会HP(http://www.bowling.or.jp/)

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