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介護予防の基本「フレイル」とはなにか

フレイル、ロコモ、サルコペニア

「フレイル」とはなにか

人間には、健康な状態と、要介護状態の「中間」の状態があります。この状態は、これまで「虚弱」という一般的な名前で呼ばれてきましたが、これを特に「フレイル(Frailty)」と名付け、注意喚起していこうという動きを、日本老年医学会が提案しています。

これまで「Frailty」の日本語訳としては「虚弱」「老衰」「衰弱」といったものが使われてきました。しかし、こうした日本語には「加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態」という「誤ったニュアンス」が付与されてしまっています。

実は「Frailty」は、その状態から可逆的に回復(改善)することが可能です。この可逆性を強調するため「虚弱」「老衰」「衰弱」という不可逆なイメージの強い言葉を使わないで、英語のままの「フレイル(Frailty)」を日本でも浸透させたいという試みなのです。

とはいえ「フレイル」は、まだ、医療・介護に関わる専門職への啓蒙活動が進んでいる段階であり、一般にはほとんど浸透していないと思われます。そのため今回は、簡単にではありますが「フレイル」の概念についてまとめてみます。

この「フレイル」を理解するには、以下のような図から入るとよいと思われます。大事なのは、青の矢印(健康とフレイル、フレイルと要介護の境界)のところです。この矢印は、一方通行ではなく、左右行ったり来たりできるという部分です。
 
フレイルとは?

「フレイル」と「ロコモ」「サルコペニア」との違いについて

介護関係のニュースなどをよく読んでいれば、この「フレイル」という概念は「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」や「サルコペニア」と関係していることに気がつくでしょう。しかし、ここには大きな違いもあります。

まず「ロコモ」は「骨+関節+筋肉」の連動としての運動能力の低下です。そして「サルコペニア」は「筋力」の低下です。それぞれ、重要な概念ですが、注目する機能低下の「範囲」が異なるのです。

これらに対して「フレイル」は、骨、関節、筋力、バランス、運動処理能力、認知機能、栄養状態、持久力、疲労感、活動性など、もっと幅広い「範囲」をカバーしている概念である点が「ロコモ」や「サルコペニア」とは決定的に異なります。

「ロコモ」や「サルコペニア」でなくても「フレイル」である可能性があります。ですから「ロコモ」や「サルコペニア」では問題なしと判断されたとしても、「フレイル」である可能性があり、安心できないのです。

※参考文献
・日本老年医学会, 『フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント』, 2014年5月
・佐竹昭介, 『虚弱(フレイル)の評価を診療の中に』, 長寿医療研究センター病院レター49号, 2014年3月25日

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