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がんの薬が、認知症にも効果があるかもしれない(ニュースを考える)

認知症の薬

がんの治療薬が、認知症にも効く?

イスラエルの研究所が、がんの治療薬が認知症にも効果がある可能性について、アメリカの医学誌にて発表しました。以下、共同通信による報道(2016年1月19日)になります。

がんの治療薬にも応用されている抗体をアルツハイマー病に似た症状を発症するマウスに注射すると、脳神経に有害なタンパク質の蓄積や、学習・記憶能力の低下が抑えられたとの実験結果を、イスラエルのワイツマン科学研究所のチームが米医学誌ネイチャーメディシン電子版に18日発表した。

アルツハイマー病の原因は、タウたんぱく質

アルツハイマー型の認知症の原因とされているのは、脳内にある「タウたんぱく質(Tau Protein)」です。これが固まってしまったり、集まってしまうと、神経細胞に対して毒性を発揮するそうです。

今回のニュースは、がんの治療薬として使われている成分が、このタウたんぱく質の蓄積をおさえる働きもするということだと思われます。実は「他の目的のために開発された薬が、他の病気にも効果がある」というケースは、意外と多くあるようです。

たとえば、最近のニュースとしては「ぜんそくの薬」が、タウたんぱく質が集まってしまうことをおさえる働きをすることが昨年末に日本人の研究者によって発表されています。

注目したいのは、すでに市場に出ている薬に、意外な効果があること

こうしたニュースがあると「どうせ、普通に買えるようになるまでは、10年とか20年とか、かかるんでしょ」という気持ちになります。しかし、これは必ずしも正しくありません。

製薬会社としては、複数の病気に有効な薬を生み出したほうが、開発のためにかかった費用の回収にとって有利です。すでに市場に出回っている薬に、こうした効果が認められた場合は、安全性の確認や政府からの認可などの期間が短縮できますので、非常に有益です。

ですから、こうした新薬開発のニュースで注目したいのは、その薬が、現在開発中のものなのか、それとも、既に市場に出回っている薬の「新しい効果」が確認されたという話なのかです。

今回のニュースは「がんの治療薬にも応用されている」という部分がポイントです。既に応用されているわけですから、安全性の確認や認可の取得などが比較的早く終わる可能性があります。

こうした場合、もしかしたら、新薬は意外と早く、私たちにも入手できるものになるかもしれないのです。期待したいですね。

※参考文献
・共同通信, 『がんの薬、認知症に効果か マウス実験で可能性示す』, 2016年1月19日
 

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