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よい介護事業所・介護施設を見分けるポイント?この質問の盲点について。

よい介護事業所・介護施設を見分けるポイント

誰もが「よい介護事業所・介護施設を見分けるポイント」を知りたがっています。しかし、この質問の立てかたには2つの問題があります。1つは、この質問をするのは、ほとんどが家族(介護者)であることです。もう1つは「よさ」は、世帯の希望や資源によって大きく異なるということです。優れた解決策を手にするためには、優れた質問をする必要があります。そのために考えるべきことをまとめてみました。

よい介護事業所・介護施設を見分けるポイント?

介護のプロに話を聞くと、彼らがもらう質問で一番多いのは「よい介護事業所・介護施設を見分けるポイントはなんですか」というものだそうです。確かに、誰もが気になることですね。KAIGO LAB にも、この質問が寄せられることがあります。

実際に、年に数回は、経済雑誌などでも有料老人ホームのランキングが特集されています。介護情報サイトでも「よい介護事業者の見分けかた」といった特集も多数見かけます。

実は、介護事業者のところには「よい情報を出しませんか」と、広告代理店がしょっちゅう営業にきます。その他にも、市役所や地域包括支援センターからも事業所、施設情報を提出してくださいというFAXが届きます。さらに、国の制度の一環として、これまた別に事業所や施設情報を公開する仕組みもあります。

産官民がこぞって、独自の基準で、それぞれが出したい情報を、損得を交えながら世の中に流出させているのです。こうした状況では、玉石混交の情報が飛び交ってしまうのは避けられません。情報が多すぎるからこそ「よい介護事業所・介護施設を見分けるポイントはなんですか」という質問も増えてしまうのでしょう。

実は、この「よい介護事業者」を探すという典型的な質問には、2つの盲点があります。そこを解消しない限り、本来はこの質問に答えることはできないのです。

盲点1:この典型的な質問をするのは誰か?

1つ目の盲点は「介護サービスを実際に使う人と、それを探す人は違う」ということです。まず、介護のプロたちは、要介護者本人から「どこの介護事業所・介護施設がよいですか?」と質問されることはないと言います。つまり、この質問をするのは、その多くが要介護者の家族(介護者)です。

要介護者本人は、できれば、自分には介護など必要ないと思いたいものです。認知症がある人の場合は、なおさら、介護の必要性を自覚することは(ほとんど)ありません。そうした背景からも、この質問は、家族から出ることが多いのでしょう。

この実情にもかかわらず、介護のプロは「要介護者のための介護」を徹底的に教育されています。このため、介護のプロは、家族からこの質問をされることに戸惑い(率直にいうと反発)を感じます。

家族としては、自分たちの介護負担が小さくなるような介護事業所・介護施設を探したいのは当然です。しかし介護のプロは、要介護者の幸せな人生にとって最適な介護事業所・介護施設であろうとしているわけです。ここに、ニーズの相違があるのは明らかでしょう。そして、介護のプロを対象としたアンケートで、よくストレスの対象として挙げられるのが、この「要介護者と家族のニーズの相違」なのです。

盲点2:世帯の状況によって「よさ」は異なる

極端に言えば、億万長者の世帯にとって「よい介護事業所・介護施設」と、生活保護を受けている世帯にとって「よい介護事業所・介護施設」は異なります。

また、家族の中に、介護に専念できる人がいるのかどうかによっても違います。介護に専念したいのか、それとも、本当は仕事に専念したいのかによっても違うでしょう。そして当然、要介護者の状況によっても「よさ」は異なります。

結局、質問をする世帯の、介護にかけられる資源(ヒト、モノ、カネ)の状況によって「よさ」は異なるということです。ですから、この質問をするのであれば、それを明確にした上で行わないと、意味のない回答しか得られません。

もちろん、介護は計画どおりに進むものでもありませんから、局面によって、どうすればよいかわからない状態になるのは当然です。介護のプロに相談をするのも、とても大切なことです。しかし、せめて、具体的に何に困っているのか(課題)は明確にしないと、解決策は得られないのです。

「家族の勤務時間が不定期でも柔軟に対応してくれて、今の身体の状態を少しでも維持できるような、リハビリに強い介護事業所はどこですか?」と言われれば、答えられます。

「◯◯の持病が管理できる医療体制をもっていて、かつ認知症でも身体拘束がなくて、さらに月額予算◯万円くらいで入れる施設はありますか?」と質問されれば、答えられます。

優れた質問をできる人が、優れた解決策を手にする

結局、いかなる課題においても、優れた質問ができる人が、優れた解決策を手にすることができるのです。そうした意味で、私たち介護者が、特に注意しないといけないのが、優れた質問をするために、その内容を、できる限り具体的にすることです。

確かに、漠然とでも、よい介護事業所・介護施設を知りたいということもあるでしょう。ただ、結果として近道なのは、世帯(要介護者とその家族)としての希望や資源を明らかにした上で、譲れること、譲れないことを明らかにしていくことです。

まとめ

・よい介護事業所・介護施設を探すのは、いつも家族(介護者)である
・世帯の状況によって介護事業所・介護施設の「よさ」は異なる
・優れた質問をできる人が、優れた解決策を手にする
・優れた質問をするためにも、世帯の希望や資源を明らかにすることが大事

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