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脱東京(東京圏からの脱出)は50歳からはじまる。日本版CCRCの夜明けについて。

脱東京

東京への一極集中が崩れつつある

東京は物価も高いですし、なによりも地価(家賃や駐車場代)が異常です。それでもなお、仕事と生活の魅力から、東京は今もなお多くの人をひきつけています。しかし、こうした流れが、徐々にではありますが、変わってきているのです。

以下のグラフは、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)に対して、圏外から移住してきた人の数から、圏外に出ていった人の数を引いたものです(転入超過の人数)。確かに、大学への入学時点や、就職の時点で、東京圏には圏外から多くの人が移住してきます。

しかし、50〜74歳という年齢に注目すると、そこだけ、東京圏から出て行く人の数のほうが、入ってくる人の数よりも多いのです。言ってみれば「脱東京」というような現象が、この年代に限ってみれば存在しているわけです。

東京圏への転入超過人数(2014年)

移住するならどこがいい?日本版CCRCに積極的なところ

どうせ移住するなら、東京圏では味わえない豊かな自然があったり、地元の人々に溶け込んでの温かい交流などが欲しいところだと思います。ただ、それに加えて、どうしても考えておかなければならないのは、いざ自分に介護が必要になった場合の、その地域の介護対応力です。

まず、東京圏の介護事情がよくないことは広く知られています。介護施設を作ろうにも土地がなく、あったとしても土地代が高いため、施設の入居費などが高くなってしまいます。また、介護職の待遇は悪いため、東京圏では、他のエリア以上に介護人材の不足が深刻と言われます。

こうした背景から、東京圏には、介護が必要であってもなかなか満足にサービスが受けられないというケースが出てきています。こうした課題を解決するため、介護が必要になる前から、東京圏から地方に移住してもらうための日本版CCRC構想というものが日本全国ではじまっています。

移住を検討するなら、この、日本版CCRCに積極的なところ(全体の4.2%にすぎない)であり、かつ、以前の記事『なにこれすごい!日経ビジュアルデータ『あなたの街の「介護力」は?』』で示したサイトから、その地域の介護力を評価してからにするのがよいでしょう。

ポイントとなるのは、移住するなら、介護が必要になる前が良いということです。移住の目的は、介護が必要になったときも含めて、終の住処として幸せに暮らせるところを探すということです。介護が必要になってからだと、その地域に馴染むための活動が満足にできない可能性もあります。

日本版CCRC構想に積極的な自治体リスト(75団体)

特に、土地勘のないところへの移住にあたっては、介護に関連する情報のみならず、受け入れ先の積極的な態度が求められます。そうした意味で、日本版CCRC構想を、現時点で積極的に進めようとしている自治体(地方版総合戦略にCCRC構想を入れる自治体)が有利だと思われます。

この、日本版CCRC構想に積極的な自治体のリストを以下に示します(県が入っていないところは、県内に日本版CCRCを総合戦略に入れている自治体が一つもない場合)。

このリストは2015年5月時点のものなので、実際に移住を検討するときは、直接自治体のほうに聞いてみることを忘れないでください。「移住を検討しているのですが、日本版CCRC構想の説明資料などありますか?」と聞けば、リストにある自治体からは、なんらかの回答があると思われます。

都道府県名
地方版総合戦略にCCRC構想を入れる自治体
北海道 函館市、旭川市、稚内市、知内町、厚沢部町、喜茂別町、古平町、天塩町、遠軽町、広尾町
青森県 弘前市、風間浦村、五戸町
岩手県 八幡平市、雫石町、平泉町
宮城県 岩沼市
秋田県 秋田県
山形県 山形県、舟形町
福島県 古殿町
茨城県 常総市、笠間市
茨城県 常総市、笠間市
群馬県 前橋市、みなかみ町
埼玉県 秩父市
千葉県 鴨川市
東京都 杉並区
神奈川県 茅ヶ崎市
新潟県 新潟市、妙高市、南魚沼市
富山県 舟橋村
福井県 鯖江市
山梨県 都留市、丹波山村
長野県 松本市、佐久市、南牧村、高森町、生坂村
静岡県 静岡市、南伊豆町
京都府 舞鶴市
大阪府 河内長野市、箕面市
奈良県 天理市、十津川村
鳥取県 鳥取県
岡山県 和気町、新庄村、奈義町
広島県 呉市
山口県 山口県、宇部市、山口市、阿武町
徳島県 徳島県、海陽町、つるぎ町
愛媛県 松野町
高知県 高知県
福岡県 北九州市
長崎県 長崎県、壱岐市、佐々町
熊本県 熊本市、長洲町、小国町、湯前町、苓北町
大分県 臼杵市
宮崎県 日南市、小林市
鹿児島県 龍郷町

※参考文献
・首相官邸, 『⽇本版CCRCに関する各地域の意向等調査結果(概要)』, 2015年5月
 

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