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全盲(視覚障がい者)のマッサージ師が、ケアマネ試験に合格!(ニュースを考える)

全盲のマッサージ師

全盲のマッサージ師が、ケアマネ試験に合格!

全盲(視覚障がい者)のマッサージ師が、ケアマネ試験に合格というニュースが、琉球新報により報道(2016年1月1日)されています。すごいです。以下、その報道より、一部引用します。

全盲の外間久生(ひさお)さん(61)がこのほど、介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験に合格した。合格率1割の難関に2度目の挑戦で合格。2、3月に実務研修を受けて資格取得、登録となる。県内で登録されているケアマネのうち、視覚障がい者は1人。資格を取得すれば視覚障がい者では2人目になる。はり・灸(きゅう)、マッサージの治療院を営む外間さんは「患者さんに介護保険の知識を伝え、介護生活を楽にしてあげたい」と話す。

外間さんの治療院に通う患者の中には家族を介護していて腰や肩を痛めた人が少なくない。こもりきりになっていて体が動かなくなった高齢者もいる。そのような患者や家族の多くが介護保険にはどんなサービスがあるのか知らないことに外間さんは気付き、介護保険についてアドバイスできるようになりたいと2013年秋から勉強を始めた。(中略)

2月から始まる研修は晴眼者と一緒に受講する。現在はそれに向け、テキストの内容を予習している。「人の3倍はやらないとね」と意気込む。「障がいがあるから何もできないと閉じこもっていては駄目だ。挑戦することで生きていくことは楽しくなる」と声を弾ませた。

自分に介護が必要なことを自覚するのは難しい

介護という言葉は、一般には、すこし大げさな印象があるのかもしれません。介護になじみがないと、誰かに「要介護認定を受けて、◯◯のサービスを受けたほうがいいよ」と言ってもらえないと、意外ときっかけがないものでしょう。

要介護認定を受けるときのよくあるケースとしては、脳卒中などで入院して、退院するときに、医師・看護師や医療ソーシャルワーカーから「介護が必要なので、要介護認定を受けたほうがよいですよ」といったアドバイスを受けるというものです。

しかし、この報道にもあるとおり、特に病気というわけでもない人が、廃用症候群(生活不活発病)などで介護が必要になってくる場合、なかなか本人も周囲も「介護が必要」とは感じないものかもしれません。そも意味でも、マッサージ師がケアマネになるというのは、とても意味のあることだと感じます。

介護は、それ以上、心身の状態が悪くならないための予防でもある

介護は、現在の状態以上に、心身の状態が悪くならないための予防としての意味があります。実際に、各種介護サービスを受けながら、リハビリや社会活動への参加によって、すこしでも自立できるようになっていくのが介護の精神です。

少しでも自立が危なくなった時点で、新たな人間関係を築き、プロの指導を受けながら、動かなくなってきた身体や、とじこもりがちになった心に刺激を与えていくことが大事です。

生活に困難を感じはじめたら、早めに要介護申請を受けて、ケアマネからのアドバイスをもらうようにしたほうが、後になって必要となる介護の度合いが高くならないという側面もあります。最終的には、そのほうが、周囲に迷惑をかけることも少なくなります。

自らが障がいを持っている人だからこそ

こうしたことは、ここで報道されているマッサージ師のように、自らも障がいを持っている人のほうが自覚的なのかもしれません。障がいと向き合い「障がいがあるから何もできないと閉じこもっていては駄目だ。挑戦することで生きていくことは楽しくなる」という意識を持つことは、簡単ではないと思います。

しかしだからこそ、自らも障がいと戦う人から、要介護認定をすすめられることに、大きな意義があるのです。説得力をともなって、できなくなることが増えるのを、ただ待っているのは正しくないということを言えるのは、その本人も戦っている場合だけだからです。

ぜひとも、広く知られてもらいたい報道ですね。

※参考文献
・琉球新報, 『全盲の外間さんケアマネ合格 介護患者、家族に光』, 2016年1月1日
 

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