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新職種「ライフマネージャー」の可能性について考えてみた

ライフマネージャー

「ライフマネージャー」は、自分らしい生活の実現をサポートする職種

要介護者は、要介護者である前に、そもそも一人の人間です。その人間には、その人らしさがあり、価値観があり、趣味や好みもいろいろです。こうした、その人らしさに焦点を当てて、その人らしい生活の実現をサポートする職種として、ソナーレ祖師ケ谷大蔵(有料老人ホーム)が、新たに「ライフマネージャー」を設置しています。

もちろん、介護のプロたちも、こうしたことが大事であることは理解しています。ただ、慢性的な人材不足という足かせがあって、要介護者の自立をサポートするところまでで精一杯といった感じも否めません。実際に「本当は、もっとこうしてあげたいのだけど・・・」といった話は、介護のプロと飲みにいくと、よく聞きます。

具体的にはなにをするのか

「ライフマネージャー」の仕事は、要介護者を要介護者としてではなく、一人の人間として、その歴史、価値観や人柄についてできるかぎり深く理解するところからはじまります。この作業を、とくに「ライフアセスメント」と言います。

「ライフアセスメント」の結果を受けて、介護を必要とする要介護者ではなくて、今を生きている人間が、これからどのように生きていきたいかを明らかにします。それを実現するための計画を立て、具体的なアクションプランにまで落とし込むのです。

なぜ「ライフマネージャー」の必要性に気がつけたのか

オーストラリアでは、40年以上前から、高齢者向けに「朝、ベッドから起き上がる理由を持てるようなサポート」をしてきました(=ダイバージョナル・セラピー)。日本でも、これと同じことをしたいという気持ちが「ライフマネージャー」という職種が生み出された背景にはあります。

関係者の話によれば、このダイバージョナル・セラピーを前提としたオーストラリアの介護施設におけるケアプランは、日本のケアマネが作るケアプランとは比較にならないくらい分厚いそうです。

日本のケアプランは、ざっくりと、一週間の時間割ができるイメージです。ところが、オーストラリアのケアプランは、要介護者がどのような人生をおくりたいのかという目標から逆算して、今どのようなケアを受けるべきかという、目標実現のための計画になっていると言います。「ライフマネージャー」の存在目的は、日本のケアプランにも、この発想を持ち込むことです。

今後の日本国内での展開について

まず、優れた「ライフマネージャー」に求められる人材要件(能力、コンピテンシー)を明らかにしていく必要があるでしょう。その上で、そうした人材要件を得るための知的体型が整備されるべきです。これを、ケアマネをはじめとした、多くの介護関係者が取得しやすい形に整えて、日本でも広めていく必要があると思います。

もちろん、介護経験を背景としていない専任の「ライフマネージャー」がいてもよいですが、それだと、資金に余裕のある要介護者だけの「贅沢な選択」になってしまいます。そもそも「朝、ベッドから起き上がる理由を持てるようなサポート」は、多くの介護関係者たちが願っていることでもあります。その具体的な方法論を学びたいという介護のプロも多いはずです。

ぜひとも「ライフマネージャー」を資格化するなどして、介護のプロがさらなる高みを目指せるような仕組みを作っていただきたいです。

※参考文献
・ソナーレ祖師ケ谷大蔵, 『Life Focus を支える「生活視点」ライフマネージャーと「介護視点」ケアマネージャーの存在
 

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