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高齢者が介護ボランティアをするとき(成功の15項目)

高齢者による介護ボランティア

高齢者が社会活動に参加する場合

KAIGO LAB でも度々記事にしてきましたが、少なからぬ高齢者は、なんらかの社会活動に参加したいと考えています。また、こうした社会活動への参加は、高齢者の生きがいにもつながることがわかっています。

また、一般的な高齢者のイメージとは異なり、最近の高齢者の中には、十分に元気で、柔軟で、新しいことに取り組みたいと考えている人も多くいることがわかっています。

そうした中、そもそも人材不足が叫ばれて久しい介護業界において、高齢者が介護ボランティアをすることの可能性が各所で検討されています。実際のところどうなのか、研究結果(村岡, 2015年)を参考に、いくつかポイントを考えてみます。

元々あった縁が復活すると様々な効果がある

高齢者が介護ボランティアをするとき、その介護現場いるのが、元々は「ご近所さん」だったりという縁があると、様々な良い効果が見られるようです。ボランティアとしても、他人事ではなく、強い当事者意識を持って仕事に当たれるというのは、やりがいにもつながるでしょう。

また、介護施設で働く介護職員にとっても、業務の負担が軽くなります(特に、会話やレクリエーションといった面)。それだけでなく、こうしたボランティアからの情報で、介護施設にいる要介護者(利用者)の背景をより深く理解できることにもつながります。

そして、要介護者(利用者)にとっても、一部に過ぎないとはいえ、失われていた縁が復活し、昔話に花を咲かせることができるのは、喜びです。こうしたボランティアが長期的に得られれば、介護施設の中にいても、長年築いてきた縁を維持できることにもなります。

高齢者の介護ボランティアを成功させるために

このように、様々な良い効果が期待できる高齢者の介護ボランティアを成功させるには、いくつかの視点があります。まずは、それが長期間にわたって提供されるための工夫が必要です。また、ボランティアは介護のプロではないので、その限界も理解する必要があるでしょう。

その上で、地域社会として考えるべき点としては、以下のようなことが指摘されています(内容は KAIGO LAB で加筆・修正されています)。要介護者のところにやってくるボランティアがコロコロと変化するのはよくありません。

(1)ボランティアの固定化;同じ人が同じ施設にやってくること
(2)ボランティアが介護サービスのある地域の住民であること
(3)ボランティアの年齢が要介護者(利用者)と近いこと
(4)ボランティアに定期的な介護教育が提供されること
(5)ボランティアが介護に役立つ資格を習得できる環境整備
(6)ボランティアの個性・知識・スキル・資格などの情報共有
(7)ボランティアを増やし、育てるための広報活動
(8)行政などからのボランティアへの表彰

このとき、こうした活動を支えるボランティア団体(NPO)として注意すべきな点も、以下のとおり指摘されています(内容は KAIGO LAB で加筆・修正されています)。ボランティア団体としては、ボランティアを申し出る高齢者のニーズに配慮した上で、あるべき方向に導いていく必要があります。

(9)ボランティアの当事者意識を刺激するような配置
(10)担当する要介護者と類似した生活体験を持つことへの配慮
(11)ボランティアが仕事を主体的に選択できること
(12)ボランティアのやりがいや楽しみに配慮した配置
(13)介護について理解するための自己研鑽の刺激
(14)ボランティア同士の交流の拡大
(15)ボランティアが役割を拡大していけるキャリアパス

高齢者による介護ボランティアは、これから、日本中で活性化すべき活動です。ここで得られたノウハウは、世界に輸出することもできるでしょう。是非とも、自治体レベルで検討いただきたいことです。

※参考文献
・村岡則子, 『シニア世代における介護ボランティア活動の有効性に関する予備的検討』, 長崎ウエスレヤン大学現代社会学部紀要13(1), 9-17, 2015-03-31
 

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