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小学生が介護している。日本における「ヤングケアラー」問題が徐々に明らかに。

ヤングケアラー

日本の「ヤングケアラー」問題は、まだ明らかになっていない

親や祖父母の介護をしているのは、なにも、成人ばかりではありません。実際には、10代で介護をしている人もいるし、極端な例では小学生にしてすでに介護をしている子供もいます。

こうした「ヤングケアラー」については、KAIGO LAB でも過去に記事にしています。専門家は「ヤングケアラー」における、大人の介護とは異なる様々な問題を指摘しています。

そうした中でも、特に気になるのは、教育問題です。子供が介護にかかわると、遅刻・早退・欠席・不登校などにつながってしまい、子供の将来に深刻な影響を与えてしまうのです。子供は、こうした環境にあっても、それを誰に相談すべきかわからないので、問題が深刻化する可能性も指摘されています。

日本での「ヤングケララー」問題が、少しずつ見えてきている

この現状を少しでも理解しようと、日本国内でも、少しずつではありますが、調査が進んでいます。そうした中、NHKが、新潟県南魚沼市の公立の小中学校の全教職員を対象とした調査の結果を報告しています(2015年12月12日)。

調査は新潟県南魚沼市の公立の小中学校の全教職員を対象に行われ、271人が回答を寄せました。それによりますと、4分の1の教職員が「家族のケアをしていると感じた子どもがいる」と答えということです。子どもが行っているケアの内容を複数回答で尋ねたところ料理などの「家事」が54%、「きょうだいの世話」が48%、着替えなど「身の回りの世話」が17%、入浴やトイレといった「身体介助」が6%などとなっています。調査した団体によりますと、こうした子どもたちの中には欠席や遅刻、それに宿題をしてこないケースが多く見られるということです。

「ヤングケアラー」を見かけたら

ここが難しいところですが、日本の介護は、高齢者のケアを前提としており、介護を担う子供は成人であることを想定して制度が組まれています。要介護認定のプロセスにしても、子供にもわかるような説明はありません。

ですから、日本の「ヤングケアラー」の中には、要介護認定の存在すら知らず、介護のために心身をすり減らしている子供がいるはずです。ヘルパーやケアマネの存在さえ知らないで、介護をしながら、欠席や遅刻を繰り返している子供が、この日本にいるのです。

もし「ヤングケアラー」を見かけたら、私たちはどうすればいいのでしょう。状態がひどい場合は、児童相談所(0〜17歳が対象)に連絡するのがよいかもしれません。児童相談所への緊急連絡は、児童相談所全国共通ダイヤルの「189番(いちはやく)」です。

要介護者や親にその自覚がなくても、「ヤングケアラー」には、当然えられるべき学校教育のための時間的なリソースが与えられていないと考えられます。これは「ネグレクト(養育放棄・無視)」の定義であり、すなわち「虐待」に相当する可能性があります。

児童相談所が大げさに感じられる場合には、せめて民生委員には連絡を入れておきたいところです。民生委員は、日本の社会福祉において、本当に困ったときの「最後の砦」です。

※参考文献
・NHK, 『介護担う子ども 遅刻や欠席など学校生活に影響』, 2015年12月12日
 

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