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ホンダが介護手当(月額2万円)導入!(ニュースを考える)

介護手当が日本を変える

ホンダが考えていること

ホンダが、育児・介護手当を大きく見直したということがニュースになっています。経営者や人事部であれば、その背景を考えておきたいものです。以下、ANN Newsの記事(2015年12月1日)を引用します(太字はKAIGO LAB)。

ホンダによりますと、これまでの定年制度や家族手当を見直し、より育児や介護に特化した新制度を2016年度中に開始することで労使が合意したということです。

ホンダはこれまで、配偶者を扶養の場合、月額1万6000円、子ども一人あたり4800円支払っていた家族手当を見直し、配偶者の手当を廃止すると同時に子ども一人あたり2万円を支払う新制度を導入します。

介護が必要な家族にも、一人あたり2万円が支払われるということです。また、定年制度についても現在の60歳から65歳に引き上げ、60歳以降の雇用は本人の選択制になるということです。一方、時間外の残業代や出張手当などを減らし、給与体系をより成果に直結させる方針も発表しました。

これは、これまでの手当を見直して、削るところ(配偶者手当、残業代、出張手当)と増やすところ(育児、介護)を明確にしたということです。財源をあまり増やすことなく、全体としてあるべき福利厚生を考えたということです。これは、他社にとってもよい手本になります。

背景にある思想を(勝手に)推測する

まず、月額1万6,000円と大きかった配偶者手当を大胆にカットしているところが目立ちます。これは、共働きが多くなっていることから、必要性が減ったということもあるでしょう。同時に、専業主婦だと不利になり、女性が「だったら、働こうかな」と考えてくれることを意図していると思われます。

では、家族を持つことが不利になるのかというと、そうでもありません。1人あたり月額4,800円だった子供の手当が、月額2万円まで大幅に上昇しています。これは、子育てを奨励することであり、また、子供を託児所に預けるときの原資が増えるということでもあります。

介護手当が新設されているのは、さすがです。介護が必要な家族のいる従業員に対して、月額2万円を支払うというのは、羨ましいです。介護にかかっている月額の自己負担は、3万円以内というのが全体の64.8%です(2014年の調査報告)。このうち、2万円を会社で持ってもらえるのは、実質的に、自己負担をなくしてくれるという意味です。

残業代が減るということは、残業してもお金にならないということです。これによって、全社的に残業を減らし、定時で帰ることが当たり前の文化を創造しようとしているのでしょう。結果として、育児も介護もしやすい文化が生まれます。

出張手当が減りますから、出張が美味しいということも少なくなります。すると、出張そのものも減ってきて、出張しないで仕事をしようという文化も創造できるでしょう。これも結果として、育児も介護もしやすい文化につながります。

ホンダの本気は、採用力につながる

ホンダは、本気で、仕事と育児、仕事と介護の両立を進めようとしています。そのために、手当の設計を見直すことで、手当の原資をあまり増やすことなく、メッセージ性のある手当の構築を実行しました。

これが、意図したとおりに動くかどうかは、また別の話です。失敗もあるかもしれません。それでもなお、ホンダが、従業員にとって、育児と介護をしやすい環境を作ろうとしている姿勢は、従業員に伝わるでしょう。

これはまた、ホンダの採用力向上につながります。育児が必要になっても、介護が必要になっても、しっかりと勤務していくことができる会社を作ろうとしていることが、こうして、社外にも伝わるからです。

ホンダの従業員が羨ましいと感じる人は、少なくないはずです。今、介護をしている人であれば、なおさらです。介護をしている人の多くは40〜50代です。その子供は、あと数年で就職でしょう。ホンダの人事部は、その子供が、就職先としてホンダも検討するという流れまで読んでいるのだと思います。
 

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