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介護福祉士の養成学校における「定員割れ」の怖さについて

介護福祉士

介護福祉士は介護現場の専門家

介護福祉士は、国家資格です。超高齢化社会に突入している日本において、最も重要な資格の一つだと言えるでしょう。この資格は「福祉系の大学・短大・専門学校を卒業する」という方法と「3年以上の実務経験を持った上で国家試験に合格する」という2つの方法で取得することが可能です。

実際には、後者の「3年以上の実務経験を持った上で国家試験に合格する」という方法を取る人のほうが多いようです。この国家試験には、筆記と実技試験があります(合格率は毎年50〜60%程度)。筆記はともかく、実技試験の突破には、やはり介護現場での経験が必要と聞きます。

実技試験のことを考えると、やはり「福祉系の大学・短大・専門学校を卒業する」というほうが資格取得には有利です。となると、介護職に就きたいと思う人は、福祉系の大学や専門学校を考えるでしょう。ところが、こうした福祉系の大学や専門学校では「定員割れ」がはじまっています。

北海道新聞:介護福祉士、養成校定員割れ 道内需要は増加(2015年11月24日)

国家資格の介護福祉士を養成する学校で定員割れが深刻になっている。道内の学校の入学定員に対する充足率は減少傾向で、本年度は5割を切った。「介護の仕事は過酷」というイメージから、他業種に若い人が流れていることが背景にある。

高齢化が加速するなか、介護の現場に必要な有資格者を確保できるのか関係者から不安の声が漏れる。卒業と同時に介護福祉士の資格が得られる道内の学校は現在、大学・短大6校、専門学校15校の計21校。日本介護福祉士養成施設協会(介養協、東京)の調査では、今春の道内の学校の入学者総数は575人。総定員数1264人の46%にとどまり、過去5年間で最低だった。

この定員割れは、私たちの未来です

そもそも日本は、高校生1人あたりの大学や専門学校が多い国です。そこに少子化が重なっていますから、大学や専門学校に「定員割れ」が起こることは、ある意味で宿命です。これから、大学や専門学校の統廃合が増加していくことでしょう。

現在の介護系職種の平均年齢は、40〜50歳です。これはまさに、今の団塊ジュニア世代に相当します。では、その団塊ジュニア世代に介護が必要になる未来には、誰が介護職にいるのでしょう?それは、現在「定員割れ」を起こしている福祉系の大学や専門学校にいる学生の世代です。

学生から、介護系職種が選ばれないのは、なによりも給与が安いからです。真面目な話、介護職で家族を養うことは難しいため、結婚や出産を機に、介護職を離れる人も少なくありません。学生は、そうした状況をよく理解しています。

今が、最後のチャンスなのですが・・・

まさに今、介護系職種の給与を改善しないと、悲惨という言葉では足りないくらいの状況におちいるのは、団塊ジュニア世代です。そのとき、介護職の取り合いは激化し、本当に一握りのお金のある人だけしか、介護が受けられなくなってしまうでしょう。

自分の介護が必要になってから、介護職を育成しようとしても間に合いません。一部では「介護職の育成には時間がかからない」という誤解もあるようですが、そんなことはありません。そもそも、そんなに簡単なら、このKAIGO LABのようなサイトは存在できないはずです。

それに、今後は、医療の財源も枯渇していくので、これまでは医師が行っていたような医療行為も、徐々に介護現場のほうでなんとかする形式に変わっていくでしょう。介護職に求められる専門性は、今後はより深まることはあっても、軽くはなりません。

ロボットがなんとかしてくれるというのも、過去に記事にしたとおり、無理のある話です。本当に、今、介護職の待遇を改善しないと、間に合わなくなります。
 

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