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やれるかどうかはともかく・・・よい介護、わるい介護の「境界線」は意識しておきたい

golf

介護の基本的な考え方

介護は、心身に不自由を抱えてしまった被介護者(介護される人)の日常生活をサポートするものです。このときに、とても注意しないとならない、介護における「基本の基本」があります。

それは「被介護者が自分でやれることは、できるかぎり自分でやってもらう」ということです。そもそも「高齢者の自立した生活を助ける」というのは、日本の介護保険法の精神でもあります。この法目的に従って、介護の世界はできています。

被介護者は、自らへの生活サポートが増えれば増えるほどに、それに頼るようになります。そうした依存心を上手にかわさないと、少し前までは自分でやれていたようなことが、やれなくなってしまうのです。

実は「至れり尽くせり」というのは、被介護者の自立を砕いてしまう、とても危険なことでもあります。たとえば、マニュアルの自動車免許を取得していたとしても、ずっとオートマを運転していたら、マニュアルの自動車を運転するのは難しくなるでしょう。それと似ています。

では、どうすればよいのか

もちろん、人が生きていくためには、多くの人の「助け」が必要です。それは被介護者にとっても同じことです。また、そもそも回復の見込みがなく、自分ではもはやできることがないという状況もあります。ですから、介護サービスそのものがいけないとか、そういうことを言いたいのではありません。

ただ、自分でできることは、自分でやるという「独立心の背骨」を折るような介護は危険であるということを、介護者も被介護者も認識しておく必要があるということです。

介護の文脈において「助け」とは、介護レベルをこれ以上は悪化させないための「予防」としての目的をもったものです。さらに、介護レベルを改善させ「昔のように元気になる」ことを目的としたものです。決して、被介護者から自分でやれることを奪い、依存心を高めるようなものではないのです。

ここに関しては、日本理学療法士協会によるプロ向けの教育ビデオが参考になります。このビデオは、理学療法士の仕事についても理解が深まるので、オススメです。

このビデオを見ると、介護器具の「あるべき姿」というのも見えてきます。介護器具とは、ただ「助け」になるモノではなく「独立心」を刺激し、人間としての尊厳を守るものなのです。

被介護者の「昔のように、健康でありたい」という気持ちを上手に刺激して、それに寄り添うというのが、理想的な介護の姿なのでしょう。それは、介護者だけではなかなか実現できないことですが、介護のプロたちの助けがあれば、あきらめる必要のないものです。
 

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