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大きな病院の初診料が一律1万円に?もはやどうにもならないのか?

初診料が一律1万円に

医療、介護、年金の財源がもはや限界に近い

過去にも記事にしたとおり、もはや、日本の社会保障の財源は枯渇しつつあります。これは、賦課方式(ふかほうしき)という社会保障のための費用を捻出する制度が限界にきているためです。

賦課方式とは、現役世代からお金を徴収し、それを高齢者の福祉の財源とする方法のことです。少子高齢化が進み、現役世代1人あたりが支える高齢者の数が爆発的に増えています。結果として、賦課方式の限界がきているということなのです。

「手取り」は「給与ー税金ー社会保険料」で計算できます。この中で「社会保険料」の部分が賦課方式で成り立っています。この影響だけではありませんが、それでも2000年から2014年までの間に、日本のビジネスパーソンの「手取り」は5万円も減っています。今後、これが6万円、7万円、10万円と減っていったとき、どこかで制度破綻することは明らかです。

こうした中、病院における食事の自己負担額が上がるとともに、大きな病院の初診料が1万円になる可能性があるということが報道されました。以下、朝日新聞デジタルの記事から引用します(太字はKAIGO LABによる)。

紹介状なしで大病院を受診する人は、16年度から新たに定額負担が必要になる。救急の場合などは除く。大病院が重症患者の治療に専念しやすくするためだ。対象は大学病院を中心とした「特定機能病院」やベッド数500床以上の病院を想定する。いまの初診料は2820円で患者負担はその1~3割。定額負担は通常の初診料とは別に支払いを求める。5千円か1万円を軸に検討中で、今秋までには金額が決まる見通しだ。

この記事内の「大病院が重症患者の治療に専念しやすくするため」という初診料増額の理由は、理由の一部にすぎません。これ以外にも「そもそも医療費の財源がない」という理由があります。財源があれば、重症患者以外の患者を診るための医師や看護師も配置できるからです。

これははじまりにすぎないのか?

医療でこうした動きがあれば、病院に通うことの多い要介護者にも影響が出ます。そもそも「社会保険料」というくくりでは、医療も介護も同じところに入ります。今後は、介護においても、自己負担額はどんどん大きくなっていくことが予想されます。

自己負担額の上昇は、残念ですが、こうした社会福祉が必要な人にとってのみ苦しいものです。逆に「社会保険料」は、日本国民であれば一律で徴収されるものです。どんなに「これ以上の自己負担額の増加は受け入れられない」と叫んでも、賦課方式である限り、それは「社会保険料」の増額でしか対処できないものであり、その限界は近いのです。

まだしばらくは「社会保険料」は上がっていくでしょう。さらに「増税」も避けられません。そうして「手取り」が減ってしまえば、日本の経済は悪化し、税収も減り、さらに「手取り」が減ってしまうという負のスパイラルに入ってしまうのです。

これを止めるには、賦課方式そのものを見直さないとなりません。では、他に財源となるようなものはあるのでしょうか?最後は、国民の財産が標的になると思われます。具体的には、銀行に預けているお金そのものに税金がかかるとか、相続税の税率が大きくなるとか、インフレによってお金そのものの価値を減らすとか、そうしたことになっていくでしょう。

王道としては、日本の経済が活性化し、税収が上がることが一番よいのです。経済が活性化すれば「給与」も大きくなり、結果としてより大きな「社会保険料」にも耐えられる状態が生まれるからです。そうした王道が実現できるかどうかは、今の現役世代である私たち一人一人にかかっています。

※参考文献
・朝日新聞デジタル, 『入院中の食事値上げ・大病院受診料増 医療保険制度可決』, 2015年5月27日
 

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