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高齢者の高齢化を、データで考える

高齢者の高齢化を、データで考える

高齢者が高齢化する

日本の高齢化率は、2020年時点では28.9%と予想されていますが、これが2050年には37.7%にまで跳ね上がります。問題は、高齢化だけではありません。高齢者の内訳として、65〜74歳の前期高齢者が減り、75歳以上の後期高齢者が増えるという「高齢者の高齢化」が起こるのです。

後期高齢者は、前期高齢者と比較して、何倍もの確率で介護を必要とするようになります。ですから、後期高齢者が増えるということは、介護を必要とする人も増えるということです。まずは、データで見てみましょう。

前期高齢者vs.後期高齢者

後期高齢者の急増が2020→2025年と2045→2050年にある

まず、後期高齢者の急増は、2020→2025年に起こります。これは、人口ボリュームの大きい団塊の世代が後期高齢者になるタイミングです。いわゆる2025年問題と言われる境界で、介護を必要とする高齢者が急増するタイミングと考えられています。

次の急増は、2045→2050年に起こります。ここは、団塊ジュニア世代が後期高齢者になるタイミングです。グラフにおいて、途中の踊り場を形成しているのが団塊ジュニア世代なのですが、この層が丸ごと後期高齢者になるのが2045→2050年ということになります。

こうした流れが、人口減少とともに起こるのです。2050年には、日本の総人口は、ちょうど1億人程度になります。今から2千万人以上の人口が減りながら、上のグラフのような後期高齢者の増加が発生するのです。国民1人あたりの負担が上がることは、どうしても避けられません。

高齢者の公的支援を減らしても解決しない

こうした分析を見ると、少なからぬ人が「もう無理だから、高齢者の公的支援を減らそう」と考えます。しかし、この問題の恐ろしさは、それでは解決にならないということです。

どのみち、財源の問題から、高齢者1人あたりの公的支援は減ります。しかし、そうして公的支援が減っても、高齢者に必要な支援量には変化がありません。減らされた公的支援は、高齢者の子供たちが担うことになるのです。

その子供たちは、減っていく給与からの所得税の納税者です。また、労働を通して企業の収益に貢献し、間接的に法人税を納める納税者でもあります。そんな子供たちの時間が、高齢者の支援に使われてしまうと、日本の社会福祉そのものが崩壊してしまいます。

「もう無理だから、高齢者の公的支援を減らそう」となってしまうとき、それはそのまま、社会福祉の崩壊に直結しており、自分自身に医療や介護が必要になる未来には、誰からも支援が得られないことになるのです。

※参考文献
・齋藤 立滋, 『高齢者をとりまく経済社会環境と介護・健康格差』, 大阪産業大学経済論集 = OSAKA SANGYO UNIVERSITY JOURNAL OF ECONOMICS 19(3), 35-55, 2018-06-30

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